分野・学年別で学ぶ中学理科まとめ
中学理科は物理、化学、生物、地学と、大きく4つの分野に分けられます。
ここでは、中学の理科を全学年分合わせた分野別、また学年別の両方で学ぶことができます。定期テスト、受験など状況に合わせて好きな方で学習ください。(目次から飛べます。)
例えば学年別では、1年(生物分野・化学分野・物理分野・地学分野)、2年(生物分野・化学分野・物理分野・地学分野)、3年(生物分野・化学分野・物理分野・地学分野)に分け、各学年、各分野のテストに出やすい最重要ポイントをまとめていきます。
物理分野の学習ポイントまとめ
身のまわりの現象
この単元では光、音、力について学習します。これらは私たちにとってあまりに身近なものです。そのためほとんど日常生活において考えることはないのではないでしょうか。目に見えにくい分野だからこそイメージと理論をしっかり持つことが重要になります。
光については、屈折、反射の作図はもちろん、凸レンズによる実像、虚像のでき方については頻出となります。凸レンズと光源、スクリーンの位置関係及びできる像についてはしっかりと理解しておきたいところです。
音については、音の大小による振幅、音の高低による振動数の関係を押さえておきましょう。オシロスコープのグラフはテストでよく出されます。
力については、圧力やフックの法則での計算問題がよく出題されます。この分野はg、N、cm2、m2と単位がたくさん出てきますが計算自体は難しくありません。正しく単位換算ができさえすれば問題ないでしょう。
「身のまわりの現象」について学ぶ
電流とその利用
この単元では静電気、電流、電磁石のしくみについて学習します。
身のまわりにたくさんある電気器具のつくりやしくみは複雑ですが、実は中学理科で学ぶ基本的なつくりの組み合わせでできています。
また、電磁石に関連して電気以外に磁石の性質についても学びます。回路図の作図の他、オームの法則や抵抗の合成、熱量の計算で得点がわかれます。
一見すると厄介な単元ですが、一つ一つ落ち着いて情報を整理することができれば大丈夫です。
静電気については最も実感しやすい分野ではないでしょうか。静電気によって物質が反発し合ったり、引き合ったりするのは。
電気に+と-の2種類があるからです。これを基本として放電現象やクルックス管での真空放電についても学習します。クルックス管の実験は電流の正体を学ぶ上で重要になりますので抜けが無いようにしておきたいところです。
「電流とその利用」について学ぶ
運動とエネルギー
この単元では物体の運動、力の規則性、エネルギーと仕事について学習します。
物体の運動は速さと向きによって決まります。物体に力が加わったまま運動すると物体は加速し、運動している物体に逆向きの力を加えると減速しますが、力がはたらかない物体の運動はどうなるのでしょうか。
台車と記録テープを用いた実験、特に記録テープの処理とその読み取りがよくテストに出題されます。実験の結果からグラフを書く問題も出ますので、縦軸、横軸が何なのかを意識して問題に取り組む必要があります。
力の規則性では、主に異なる向きと大きさの2力の関係が取り上げられます。
合力、分解については平行四辺形を書くことができれば問題ありません。
そのかわり「自分が書いている矢印(力)が何を現わしているのか」をきちんと理解する必要があります。
例えば斜面上の物体には、重力、垂直抗力、斜面下向きの力、斜面に垂直な力と4つの力がはたらきます。
これをただ丸暗記で矢印だけ書いていては発展問題や与えられた条件が少ない問題で混乱してしまいます。また力のつり合いと作用・反作用の違いについてもよく問われるところです。
仕事の大きさについては、力の大きさと力の向きに移動させた距離の積で表すことができますが、ここもひっかけ問題が出されやすいです。
仕事の大きさが0の場合はどんな時か理解しておきましょう。
「運動とエネルギー」について学ぶ
化学分野の学習ポイントまとめ
物質のすがた
この単元では、身のまわり物質と性質、気体の性質、水溶液の性質、状態変化について学習します。
そもそも物質とは物を形作る材料のことを言います。
例えばガラスのコップであればガラスが物質です。このような物質は私たちの身のまわりにはたくさん存在します。
ここで押さえておきたいポイントは、金属の性質と非金属における有機物、無機物の特徴です。よく問題として扱われる白い粉末の分類やプラスチックの分類で役立つ知識ですので、加熱したときの反応や水への溶け方、浮き方は覚えておきましょう。
気体については、気体その物の性質はもちろん、気体の集め方も重要になってきます。それぞれの気体の重さ、水への溶けやすさによって集気法が変わってきますので、気体の性質と共に覚えましょう。
水溶液については、水溶液の性質よりもここで扱われる質量パーセント濃度の計算と溶解度の問題に重きを置いた方が得点につながります。
特に濃度(%)は、溶質の質量(g)÷溶液の質量(g)×100で求められますが、割る数が溶液であることがポイントです。ここでひっかけ問題をよく出題されがちですので問題をよく読んで取り掛かりましょう。
この単元で使用するガスバーナーと上皿天秤についてもテストで問われます。使い方を確認しておきましょう。
「物質のすがた」について学ぶ
化学変化と原子・分子
この単元では化学反応、原子、分子のつくりについて学習します。
この分野は中学校3年間で学習する中で、おそらく最も実験が多く、それに関連する問題が出されやすい分野になります。特に安全上実験中に注意しなければならない点については頻出になります。
物質名もたくさんあり、化学反応式なども全て丸暗記しようとすると正直大変です。しかし元素記号や化学反応のしくみを理解してしまえばそこまで難しくはありません。
化学反応式も慣れてしまえばただの数合わせです。元素周期表をしっかり覚えてしまえばこの分野はほぼ大丈夫でしょう。
「化学変化と原子・分子」について学ぶ
化学変化とイオン
この単元ではイオン、化学電池、酸・アルカリとイオンについて学習します。
「化学変化と原子・分子」で元素周期表や原子・分子についてどこまで理解できたか、特にイオンについては原子のつくりについてしっかり理解しておく必要があります。
逆を言えばその基礎がしっかりしていればイオン式もイオン反応式も難しくはないでしょう。
酸とアルカリを反応させて起こる中和の実験においては、イオン濃度と体積の関係によって水溶液の量が変わるなど少し凝った問題も出されがちなので押さえておきたいところです。
また化学電池については陰極陽極でどのような化学反応が起こっているのかをただ暗記するだけでなく理論立てて説明できるようになると大幅にミスが減ります。
「化学変化とイオン」について学ぶ
生物分野の学習ポイントまとめ
植物の生活と種類
この単元では植物の花、葉、茎、根のつくりとはたらき、植物の分類について学習します。
植物の各部分のつくりについては覚えてしまえば難しくありません。それぞれをバラバラに覚えるより、植物の分類と一緒に表にまとめてしまうとスッキリと整理できます。
この単元は面倒くさがらず図を描くと頭に残りやすく、より理解が深まります。
光合成、蒸散での対照実験についてはよくテストに出題されます。特に蒸散の実験はワセリンを塗るパターンが4つ用意され、葉の表、裏での蒸散量を求める問題がよく出題されます。
ひっかけ問題も多いので注意が必要です。顕微鏡の使い方についても押さえておく必要があるでしょう。
「植物の生活と種類」について学ぶ
動物の生活と生物の進化
この単元では細胞、動物のからだのつくりとはたらき、動物の分類、進化について学習します。
細胞については植物の単元と同様一度図を描いておくと頭に残りやすいのでお勧めします。ここでも顕微鏡の使い方を問われることがありますので是非復習しておきたいポイントです。
人体については各臓器について一通り学習するため覚える内容が多いです。
例えばでんぷんはだ液中に含まれる消化酵素アミラーゼによって糖に分解され、その後すい液中の消化酵素リパーゼ、小腸の消化酵素により、最終的にはブドウ糖となり体内に吸収されます。
このように消化管はたらきと分泌される消化酵素、分解される養分と吸収される物質についてはしっかりと押さえておく必要があるでしょう。
感覚器官、運動器官、動物の分類については実生活に基づく知識+αでおおよそ間に合ってしまうと思います。
進化については各セキツイ動物同士の共通点と相違点をまとめておく必要があるでしょう。
ここではシソチョウがよく出題されます。ハチュウ類、鳥類それぞれとの比較を押さえておきましょう。
「動物の生活と生物の進化」について学ぶ
生命のつながり
中学校の生物で最も重要な単元と言ってもいいでしょう。
1年生で学習した植物、2年生で学習した動物、人体を学んだ集大成として最後に遺伝について学びます。
多細胞生物は細胞分裂によって細胞の数が増えるとともに、それぞれの細胞が大きくなることで成長していきます。
この細胞分裂の流れ(並び替え)がよく出題されます。また有性生殖と無性生殖で異なる染色体の受け継がれ方も頻出です。
遺伝の規則性についてはメンデルの法則が有名です。
親から子、子から孫に世代が移るにつれて、遺伝子がどのように受け継がれ、どの形質が現れるのかは表にまとめると分かりやすいです。
問題として扱われやすいのはエンドウ種子とさやの2種類の対立形質についての実験です。
対立形質が増えると難しように感じますが、表が大きくなるだけで基本は変わらないので落ち着いて取り組みましょう。
「生命のつながり」について学ぶ
自然のつながり
この単元では生態系や自然環境の保全、科学技術の在り方などについて学習します。
生態系については食物連鎖が主な学習内容です。
生産者、消費者、分解者は実際に見えるものですし、食う食われるの関係なのでイメージが付きやすいと思います。
その他、今ある自然をどう守るか、自然災害へどう対応すべきか、科学技術はどのように発展し、これからどう利用していくのが望ましいのかといった内容が取り上げられています。
正直テストにはあまり出題されませんが、私たちが地球上で生活するうえで、また他生物と共存していくうえで欠かせない内容なのでないがしろにはしたくない単元であります。
「自然のつながり」について学ぶ
地学分野の学習ポイントまとめ
大地の変化
この単元では火山、地層と化石、地震について学習します。
火山の形や噴火のようす、冷え固まった溶岩の色は、その火山のマグマの粘り気によって決まります。
これらは別々に覚えるのではなく、全て表を用いてまとめて覚えてしまうと理解が進むでしょう。
また生物と同様、火山岩、深成岩については簡単でいいので一度描いておくことをお勧めします。
また岩石に含まれる鉱物は、見慣れていない人が見ると違いが分かりにくいですが、中学校の地学で扱う無色鉱物は石英と長石しかありませんし、有色鉱物も5種類しかありませんので是非覚えておきましょう。
地震でよく問われるのは、地震発生時刻を求めるものです。
この手の問題は必ずと言っていいほど表とグラフがセットで出されます。
計算自体は小学校で習うものですが、震源からの距離と初期微動継続時間を正しく読み必要とする数値を導き出す力が求められます。
地層では何地点かのボーリングの図から求めたい地点での地層の様子を問われる問題が出ることから、地層の広がりをイメージする力が必要になります。
また代表的な示相化石、示準化石についても頻出事項です。
サンゴの化石が発掘された場所は昔暖かく浅い海であったなど、特に示相化石は化石と環境をセットで覚えておくと良いです。
中学校で扱う化石も、鉱物同様少ない種類しかありませんので暗記してしまった方が早い分野です。
「大地の変化」について学ぶ
気象のしくみと天気の変化
この単元では気象観測、前線、日本の天気について学習します。
基本的な気象観測は気温、湿度、気圧、雲量、風速、風向など単純なものから決まります。湿度に関しては気温と飽和水蒸気量、露点との関係から計算で求める問題がよく出題されます。グラフ、表を読み取りながら計算もしなければならないので苦手とする人が多い分野です。各データを正しく読み取る力が求められます。露点が理解できてしまえば雲のでき方の理解もスムーズに進みます。
前線については主に寒冷前線と温暖前線について学習しますが、前線は目に見えるものではありません。寒気と暖気を模式的にとらえ、どの周辺で雲がどのように発達し結果どのような天気になるのかを押さえる必要があります。
日本の天気については、まず日本周辺の4つの気団の特徴を頭に入れて多くことが大前提です。それさえわかってしまえば日常生活に即した分野ですので春夏秋冬によっての気候、天気についての理解がより深まります。
地球と宇宙
この単元では、宇宙の広がり、地球の運動と天体の動き、月と惑星の見え方について学習します。この単元は中学校で学習する中で最もスケールの大きい話を扱います。天体の大きさや天体同士の距離感など、数値が大きすぎてイメージしにくいですが、正確に理解できなくてもなんとかなります。
太陽系の惑星は一通り学習しますが、メインは太陽です。何を根拠に太陽が球形で自転していると言えるのかはよくテストで問われます。
多くの人が苦手とするのが天体の動きと天体の見え方でしょう。普段使用している地図は基本的に「上が北」になっていることが多いかと思いますが、この単元での北は(当たり前といえばそうですが)「北極点がある方向が北」となります。これを踏まえた上で、「明け方西の空に見える星座がこれだった場合、季節は何か」といった問題に対応できるようになります。また、地球は自転していると共に公転もしているので、星は季節ごとに見えるものや位置が変化します。「ある星座が1か月後に同じ場所で見えた、このとき何時何分か」といった問題も良く出題されますので、この辺りは練習問題をたくさんこなしておきたいところです。
中1理科(生物分野)
中学1年理科の生物分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
花・葉・茎・根のつくりとはたらき
「がく」「花弁」「おしべ」「めしべ」など、花を構成する各部分の名称、根のつくり、茎のつくりについて、名称だけでなく、そのはたらきも押さえましょう。
特に注目すべきは「葉」。葉の細胞の中にある葉緑体で行われる「光合成」、酸素や二酸化炭素が出入りする「気孔」、光合成で使われなかった水分が水蒸気となって気孔から出される「蒸散」など、葉のつくりとはたらきは最重要ポイントです。
植物の分類
植物を分類できるようにすることも大切です。
種子で増える「種子植物」、「種子植物」の中で胚珠が子房の中にある「被子植物」、子房がなく胚珠がむき出しになっている「裸子植物」、さらに「被子植物」の「双子葉類」「単子葉類」、「合弁花類」「離弁花類」、それぞれの特徴や代表的な植物を答えられるようにしましょう。
また、種子ではなく胞子で増える「シダ植物」「コケ植物」の特徴も重要ポイントです。
身近な生物の観察
「ルーペ」や「顕微鏡」の使い方、スケッチの方法、プレパラートのつくり方など、観察の基本も押さえておくべきポイントです。
例えば、ルーペを使って植物を観察するときのポイントは、「ルーペを目に近づけたまま動かさないこと」。観察したものをスケッチするときの注意点「影をつけたり、二重書きしないこと」も出題されます。
また、小学校でも使用した顕微鏡は、各部の名称を覚えるのはもちろん、視野、明るさ、倍率の求め方などについても答えられるようにしましょう。
中1理科(化学分野)
中学1年理科の化学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
物体と物質
「金属」「非金属」「有機物」「無機物」「プラスチック」などの性質について整理して覚えましょう。
例えば、金属の5つの性質は「磨くと”ピカピカ”光る」「電気をよく通す」「熱をよく伝える」「のびる(延性)」「広がる(展性)」、プラスチックの8つの性質は「有機物」「軽い」「さびない」「くさりにくい」「加工がしやすい」「電気を通しにくい」「衝撃に強い」「薬品や酸性やアルカリ性の水溶液による変化が少ない」です。
水素・酸素・二酸化炭素・アンモニア
「水素」、「酸素」、「二酸化炭素」、「アンモニア」、この4つの気体の性質、発生方法、集め方が重要ポイントです。
気体の集め方には、その気体の性質によって「水上置換法」「上方置換法」「下方置換法」、この3つの方法を使い分けます。
水溶液の濃度(濃さ)を求める
化学分野には、計算問題も出題されます。
水溶液の濃度「質量パーセント濃度」を溶質と溶液の質量を使って求められるようにしましょう。
濃度を求める公式は、『水溶液の濃度(%)=溶質の質量(g)÷水溶液(水+溶質)の質量(g)×100』です。
ポイントは、「溶質」「溶媒」「溶液」について理解することです。
中1理科(物理分野)
中学1年理科の物理分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
光の屈折
「光の屈折」についてしっかり理解しましょう。
特に「入射角」と「屈折角」が重要ポイントです。「入射角」>「屈折角」、「入射角」<「屈折角」になるのはそれぞれどんな場合かしっかり押さえましょう。
物体の位置と像の見え方
凸レンズを通る光の進み方が「実像」と「虚像」でどう違うのか理解し、作図もできるようにしましょう。
また、物体を焦点に対してどの位置に置くと、「実像」の大きさがどうかわるのかも、押さえておくべきポイントです。
音の大きさと高低
波形をみて、音の大きい・小さい、高い・低いが見分けられるようにしましょう。
中1理科(地学分野)
中学1年理科の地学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
火山岩と深成岩
マグマが冷えて固まった岩石、「深成岩」と「火山岩」は覚えておくべき重要ポイントです。
「深成岩」と「火山岩」がそれぞれ火山のどこでつくられるのか、顕微鏡で観察したときそのつくりにどんな特徴があるのか、しっかり押さえましょう。
また、「火成岩」を構成する無色鉱物・有色鉱物の割合、組織のつくりの違い(火山岩か深成岩)によって、「流もん岩」「花こう岩」「安山岩」「せん緑岩」「玄武岩」「はんれい岩」のどれになるのか分類できるようにしましょう。
示準化石と示相化石
大昔の生物の死骸や生物の「化石」には、地層のできた年代(地質年代)を知ることができる「示準化石」と、地層のできた当時の”環境”を知ることができる「示相化石」があることを押さえましょう。
「示準化石」については、古生代は「フズリナ」、中生代は「アンモナイト」、新生代は「ビカリア」といったように、代表的な生物とその年代を覚えましょう。
「示相化石」については、温かく・浅い・きれいな海に生息する「サンゴ」といったように、代表的な生物とその環境を覚えましょう。
地震
「震源」と「震央」、「震度」と「マグニチュード」の違いをしっかり押さえることが重要です。
また、地震の”ゆれ”を地震計で記録すると見られる「P波」と「S波」、P波によって起こる”小さなゆれ”を「初期微動」、S波によって起こる”大きなゆれ”を「主要動」を図から読み取り、地震が起きた時刻などを計算で求められるようにしましょう。
中2理科(生物分野)
中学2年理科の生物分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
セキツイ動物と無セキツイ動物
「セキツイ動物」を「魚類」「両生類」「ハチュウ類」「鳥類」「ホニュウ類」に分類する際、それぞれの呼吸方法、子の生まれ方、体温、体表の特徴をしっかり押さえましょう。
また、「無セキツイ動物」である「節足動物」「軟体動物」の特徴も押さえ、代表的な動物をあげられるようにしておきましょう。
消化のはたらき
食べ物に含まれる栄養素を分解し、からだに吸収しやすい物質に変えるはたらきである「消化」も重要ポイントです。
三大栄養素として知られる「炭水化物(デンプンなど)」「たんぱく質」「脂肪」の消化の流れはしっかり覚えましょう。
例えば、『「炭水化物(デンプンなど)」は、だ液せんから出される「だ液」中の消化酵素「アミラーゼ」によって「麦芽糖」などに変えられ、すい臓から出される消化液「すい液」中の「アミラーゼ」、小腸の壁から出される消化酵素によって、最終的に「ブドウ糖」に分解され、体内に吸収される。』といったように、体内に吸収されるまで、どんな消化酵素が使われるか、整理しておくのが大切です。
血液の流れ
血液を構成する「赤血球」「白血球」「血小板」「血しょう」がそれぞれどんなはたらきをするのかまとめておきましょう。
また、血液の循環である「肺循環」「体循環」、心臓の4つの部屋「左心房」「左心室」「右心房」「右心室」は、どこへ血液を送り出し、どこから血液を取り込むのか、勘違いしやすいポイントなので、図を使って覚えるのがおすすめです。
中2理科(化学分野)
中学2年理科の化学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
原子と分子
物質をつくる最小の単位である「原子」の3つの性質、「化学変化によって、原子はそれ以上分割できない」「原子の種類によって、質量や大きさが決まっている」「化学変化によって、他の種類の原子に変わったり、なくなったり、新しくできたりしない」は、しっかり覚えましょう。
また、「原子の記号(元素記号)」や「化学式」は、面倒くさいなどと言わずにしっかり覚えましょう。
化学反応式
「原子の記号(元素記号)」や「化学式」をしっかり暗記し、水の電気分解、炭酸水素ナトリウムの熱分解、銀と酸素の化合、炭素と酸素の化合などの化学変化を「化学反応式」で表せるようにしましょう。
酸化と還元
ある物質が「酸素」と化合する「酸化」、酸化物から酸素をうばう「還元」も、化学反応式でも表せるようにしましょう。
中2理科(物理分野)
中学2年理科の物理分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
電流・電圧・抵抗
「電流」「電圧」「抵抗」が、「直列回路」と「並列回路」でどのような違いがあるのかしっかり理解することが大切です。
「オームの法則」を使って、「電流」「電圧」「抵抗」の大きさを計算で求められるようにしましょう。
また、「電気用図記号」を使って、「回路図」がかけるようにもしておきましょう。
磁界
磁石がつくる磁界、電流がつくる磁界の特徴をそれぞれ理解しましょう。
特に、「フレミングの左手の法則」を使って、「電流の向き」「磁界の向き」から導線にはたらく「力の向き」がどの方向になるのか答えられるようにしましょう。
また、棒磁石を近づけたり、遠ざけたりするとコイルに電流が流れる現象「電磁誘導」において、N極(S極)をコイルに近づける場合、コイルから遠ざける場合でコイルにどのように電流が流れるのかわかるようにしておきましょう。
陰極線
蛍光板の入った真空放電管(クルックス管)を流れる「陰極線」を観察する実験で、はじめて「電子」について学びます。
「電子」は中3になってから本格的に登場するようになるので、「-の電気を帯びた小さな粒」が電子であること、-極から+極へと移動することをまずは覚えておきましょう。
中2理科(地学分野)
中学2年理科の地学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
飽和水蒸気量・露点・湿度
1m3の空気中に、水蒸気を限界まで入れたときの水蒸気の質量「飽和水蒸気量」、水蒸気が水滴に変わり始める温度「露点」、空気中にどのくらい水蒸気が含まれているのかを示す「湿度」について、混合しやすいので、整理して頭に入れましょう。
また、「湿度」は「飽和水蒸気量」を使って計算で求めることができます。
そのとき使う公式が『湿度(%)=空気1m3中の水蒸気量÷飽和水蒸気量×100』です。
グラフから、「飽和水蒸気量」や「露点」、気温下げたとき水蒸気が水滴に変わる量なども読み取れるようにしましょう。
気団と前線
「シベリア気団」「揚子江気団」「オホーツク海気団」「小笠原気団」、「寒冷前線」「温暖前線」「停滞前線」「閉そく前線」のそれぞれのでき方や特徴を理解しましょう。
さらに、各気団や前線の影響で、日本の季節ごとの天気にどのような特徴があるのかも答えられるようにしましょう。
天気図記号
「天気図記号」を使って、その地点の「天気」「風向」「風力」を表せるようにしましょう。
「風向」は、”どちらに向かって”吹くのかではなく、”どちらから”吹いてくるのかです。テストの解答用紙には、「北」「南」「東」「西」しか示されない場合があるので、16方位をしっかり覚えておきましょう。
中3理科(生物分野)
中学3年理科の生物分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
細胞分裂
植物の「体細胞分裂」の図から、「染色体」に注目し、どの順番で細胞分裂が進んでいくのかわかるようにしておきましょう。
細胞分裂が行われ、細胞の数が増えるだけでなく、その増えた細胞がそれぞれ大きくなることや、植物の場合、細胞分裂がさかんなのは、根、先端付近、茎の維管束の周辺であることも押さえておきましょう。
また、生物が「生殖細胞(動物:精子と卵、植物:精細胞と卵細胞)」をつくるとき、「染色体」の数が半分になる「減数分裂」も超重要ポイントです。
有性生殖と無性生殖
動物の有性生殖、植物の有性生殖、受精を行わない無性生殖についてその違いを押さえ、理解することが大切です。
また、無性生殖の一種である根・茎・葉・芽など植物のからだの一部から新しい個体をつくる栄養生殖もよく出題されます。
遺伝
遺伝の単元でごちゃごちゃするのが「染色体」「遺伝子」「DNA」です。
「染色体」の中にある「DNA」は長いひも状になっていて、遺伝情報をもっている部分ともっていない部分があります。この遺伝情報をもっている「DNA」の一部分が「遺伝子」というわけです。
また、オーストリアのメンデルによって発見された「遺伝の規則性」や「分離の法則」を理解し、対立形質の「純系」どうしをかけ合わせたとき、子にどんな形質が現れるのか、さらに、孫にはどんな形質が現れるのか表せるようにしましょう。
中3理科(化学分野)
中学3年理科の化学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
原子とイオン
中学2年の化学分野で学習した「原子」をさらに詳しく学びます。
「原子」は、「原子核」とそのまわりを回る「電子」で構成され、「原子核」は、+の電気を帯びた「陽子」と電気を帯びていない「中性子」でできています。
さらに、原子が電気を帯びた「イオン」は、「電子」を失うか、「電子」を受け取るかによって「陽イオン」、「陰イオン」になることも重要ポイントです。
そして、中2で学んだ化学式に続いて、イオン式もしっかり暗記しておきましょう。
電離
物質が水にとけて、「陽イオン」と「陰イオン」に分かれる「電離」もよく出題されます。
各物質の化学式とイオン式を使って、塩化水素、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの電離の式もかけるようにしましょう。
また、水にとかしたとき、”電離して電流が流れる”「電解質」、電流が流れない「非電解質」についても特徴を理解し、それぞれどんな物質があるのか理解しましょう。
酸とアルカリ
電離して水素イオン(H+)が生じ、水溶液が「酸性」になる物質を「酸」、水酸化物イオン(OH-)が生じ、水溶液がアルカリ性になる物質を「アルカリ」といいます。
酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜたとき、水素イオンと水酸化物イオンがあると、この2つのイオンはすぐに結びつき「H2O(水)」ができます。
このような酸とアルカリがたがいの性質を打ち消し合う反応「中和」も、重要ポイントです。
また、硫酸+水酸化バリウム水溶液、硝酸+水酸化カリウム水溶液など、いろいろな物質の中和を表す式も書けるようにしておきましょう。
中3理科(物理分野)
中学3年理科の物理分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
等速直線運動
一定の速さ(同じ速さ)で、一直線上を進む運動を「等速直線運動」といいます。
台車が「斜面を下る運動」をするときの力と速さの関係について、しっかり理解しましょう。
また、斜面の傾きの違い、台車の重さの違いで、台車の運動はどう変わるのかも押さえておきたい重要ポイントです。
慣性の法則と作用・反作用の法則
中学3年物理分野では2つの大切な法則を学習します。それが「慣性の法則」、「作用・反作用の法則」です。
「慣性の法則」とは、「力がつり合っている場合、または、物体に他から力がはたらかない場合、静止している物体はいつまでも静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」という性質です。
この「慣性の法則」によって、電車が急発進したとき、急ブレーキをかけたとき、それぞれ車内のつり革がどのように動くかなど、答えられるようにしましょう。
「作用・反作用の法則」とは、物体Aが物体Bに力を加えると、それと同時にAはBから力を受けることです。
AがBに加えた力を「作用」、AがBから受ける力を「反作用」といい、この「作用」「反作用」の力は、大きさが等しく、一直線上にあり、向きが逆向きの力となります。
間違いやすいポイントは、「作用・反作用」は、”1つの物体”ではなく、別々の”2つの物体”にはたらくことです。
ちなみに、”1つの物体”にはたらく、大きさが等しく、一直線上にあり、向きが逆向きの力は、”2力がつり合う”ための条件です。間違えないようにしましょう。
力の合成と分解
物体にはたらく2つ以上の力を1つにまとめる「力の合成」では、合力を作図で求められるようにしましょう。
ポイントは、2力をつかって平行四辺形をかくことです。対角線が合力になります。
また、物体にはたらく1つの力を2つ以上の力に分ける「力の分解」では、合力から分力を作図で求められるようにしましょう。
ポイントは、合力を対角線にして平行四辺形をかくことです。平行四辺形の2辺が分力になります。
中3理科(地学分野)
中学3年理科の地学分野で、特に重要なポイントを3つ挙げます。
地球の自転・公転
地球の自転および公転について理解することは、重量なポイントです。
なぜなら、地球の自転および公転の動きを基準にして、他の天体が地球からどのように動いて見えるのか、つまり、”見かけの動き”が問われます。
ちなみに、地球は地軸を中心にして、1日1回、北極側からみて「反時計まわり(西→東)」に自転しています。
公転は、地球が「反時計まわり」に太陽のまわりを1年かけて1周することです。
太陽と星の日周運動・年周運動
太陽が1日に移動する見かけの動きを「太陽の日周運動」といい、星が1日に移動する見かけの動きを「星の日周運動」といいます。
地球からみると、太陽も星も「東から西へ」動いているように見えます。
これは、「地球が自転しているため」に起こる”見かけの動き”です。
また、「地球が公転している」ために起こる”見かけの動き”は、「星の年周運動」と「太陽の年周運動」です。
地球から見た星は、天球上を1年かけて1周するようにみえます。星の見かけ上の1年の動きを「星の年周運動」といい、地球からは「東→西」へ移動しているように見えます。
太陽も同様に、天球上を1年かけて1周しているようにみえ、太陽の見かけ上の1年の動きを「太陽の年周運動」といいます。
ポイントは、星座の「年周運動」は、「東→西」へ移動しているように見えますが、太陽の「年周運動」は、「西→東」へ移動しているようにみえることです。間違えないようにしましょう。
月
「月」は、「地球」のまわりを公転する「衛星」です。
地球が自転しているため、”時間ごと”の月の動きは、「東→西」へ、1時間に15°移動するようにみえます。
一方、”日ごと”の月の動きは、月が地球のまわりを公転しているため、「西→東」へ移動するようにみえます。
月の時間ごとの動きと日ごとの動きは間違えやすいので、注意が必要です。
また、「月の満ち欠け」も重要ポイントです。
月の満ち欠けの周期「新月→三日月→上弦の月→満月→下弦の月→有明月→(新月)」は、公転周期より2日ほど長い「約29.5日」です。
地球、月、太陽がどのような位置関係のときに、どんな形の月が見えるのか、答えられるようにしましょう。
このほか、「日食」「月食」もよく出る重要ポイントです。
月については、出題されやすいポイントが満載なので、時間をかけて、しっかり理解するのがよいでしょう。
まとめ
中学校の理科の学習は、小学校の理科で学んだ内容も含まれていますが、情報量が比べものにならないほどあります。
そのため、暗記で乗り越えるには限界があるので、ぜひ、暗記ではなく、内容を理解することへ勉強方法を切りかえてください。
たとえ、理科が苦手だと思っていても、あきらめずに興味をもって学習に取り組んでいくと、あるとき”ふっと”頭の中が整理されることがありますよ。そうなったとき、ほんとうに勉強が楽しくなります。
理科は暗記がたくさんあって計算も難しいと思い嫌いになる人が多いですが、実際に勉強してみるとそこまで難易度の高いものはありません。
中学理科は日常生活に即した教科です。中学理科をマスターすれば世の中のほとんどの現象を簡単ではありますが説明できるようになります。
また、どこから手を付けたらいいかわからないという人は、せっかく4つも分野がありますので、「これならできそう」というものから始めてみてはいかがでしょうか。是非頑張ってみてください。