基礎から学ぶ中学英語 動名詞・不定詞

中学英語で学習する動名詞・不定詞について解説しています。
まずは基本の形をマスターし、例外や特殊な表現について学習していきましょう。

基礎から学ぶ中学英語-動名詞・不定詞

動名詞・不定詞

動名詞・不定詞

動名詞・不定詞は中学英語で学習する文法の一つです。
動名詞・不定詞を理解することで、英文の表現の幅を広げられます。

それでは動名詞と不定詞の作り方や意味について、学習していきましょう。

動名詞

動名詞
動詞名とは、動詞に名詞の役割をさせる文法です。

例えば「食べる」は動詞ですが、「食べること」は名詞です。
同じく「走る」は動詞、「走ること」は名詞です。

英語では、動名詞は「動詞+ing」で表現します。

「食べる」はeat、「食べること」はeating、「走る」はrun、「走ること」はrunnningです。

ingと言えば現在進行形の学習でも登場しましたが、現在進行形は「be動詞+動詞のing形」で作り「~しているところです」という意味ですので、動名詞とは異なります。

例文を見てみましょう。

1. I like swimming. 私は泳ぐことが好きです。
2. Takashi’s hobby is taking pictures. タカシの趣味は写真を撮ることです。
3. Studying English is difficult. 英語を勉強することは難しい。
4. She stopped talking. 彼女は話すことをやめました。

1はswim(泳ぐ)がswimming(泳ぐこと)という動名詞になり、likeの目的語になっています。
swimにingを付ける時にはmを重ねてingを付ける点を忘れないようにしましょう。動名詞のing形は現在進行形のing形とつづりは同じです。

2はtake pictures(写真を撮る)がtaking pictures(写真を撮ること)という動名詞になっています。
Takashi’s hobby(タカシの趣味)が主語になっているので、「タカシの趣味は写真を撮ることです」となります。

3の例文では、主語に動名詞が使われているパターンです。studying English(英語を勉強すること)が主語なので、あとはdifficult(難しい)とつなげて訳せばOKです。

4はtalking(話すこと)という動名詞がある文ですが、「stop ~ing」で「~することをやめる」と覚えておいてください。

このように、動名詞は主語や目的語として使われます。

不定詞

不定詞
不定詞は、「to+動詞の原形」で作る文法で、意味は3つあります。

1. ~すること(名詞的用法)
2. ~するために(副詞的用法)
3. ~するための(形容詞的用法)

■~すること(名詞的用法)

1つ目の「~すること(名詞的用法)」では、動詞に名詞の役割をさせます。
つまり、動名詞と同じ意味ですので、お互いに書き換えることができます。

それでは例文です。

1. I like to swim. 私は泳ぐことが好きです。
2. Takashi’s hobby is to take pictures. タカシの趣味は写真を撮ることです。
3. To study English is difficult. 英語を勉強することは難しい。
4. I want to have lunch. 私は昼食を食べたい
5. He wants to be a teacher. 彼は先生になりたい
6. What do you want to drink? あなたは何を飲みたいのですか?
7. She stopped to talk. 彼女は話すために立ち止まりました。

1~3の例文は、動名詞の説明で挙げた例文を不定詞で書き換えたものです。

1は「泳ぐこと」を「to swim」という不定詞で表現しています。
swimming=to swimと書き換えられます。

2も同じで、「写真を撮ること」を「to take pictures」で表現しています。

3は主語に不定詞を使っているパターンですが、作り方は同じです。文の先頭にtoが来ることに違和感があるかもしれませんが、不定詞の文ではよく見られる書き方です。

4の文は「want to ~」なので直訳すると「~することがほしい」ですが、「~したい」と訳してください。「want to go」で「行きたい」、「want to learn」で「学びたい」という意味です。

5の文も「want to ~」の文ですが、「want to be ~」で「~になりたい」と訳します。

6の文はwant toを使った疑問文です。what do you ~?は「あなたは何を~しますか?」、「want to drink」は「飲みたい」なので、「あなたは何を飲みたいのですか?」という意味になります。

7の文は注意が必要です。これは動名詞の例文4で登場した「stopped talking」を「stop to talk」という不定詞で書き換えたように見えますが、訳し方(意味)が異なります。

She stopped talking. 彼女は話すことを止めました。
She stopped to talking. 彼女は話すために立ち止まりました。

「stop ~ing」は「~することをやめる」、「stop to ~」は「~するために止まる(立ち止まる)」という意味になります。

このようにstopを使う文の場合、後ろに動名詞を持ってくるか不定詞を持ってくるかによって意味が変わってしまいますので、同じ意味に書き換えることはできません。

stop以外にも、remember(覚えておく、思い出す)も動名詞と不定詞とで意味が異なります。

I remember meeting you. 私はあなたに会ったことを覚えています。
I remember to meet you. 私はあなたに会うことを覚えています。

stopもrememberも、動名詞(ing)が来る場合は「過去の出来事(すでに行っている出来事)」を表し、不定詞(to)の場合は「これからしようとしている出来事」を表していると覚えておけば間違いを防げるでしょう。

■~するために(副詞的用法)
2つ目の「~するために(副詞的用法)」は、動詞に副詞の役割をさせます。

副詞とは動詞を修飾する言葉で、「~するために走る」「~するために働く」のように動詞にかかります。

この場合は、動名詞「~すること」とは違う訳し方になりますので、書き換えることはできません。

例文をいくつか挙げてみましょう。

1. I go to school to study. 私は勉強するために学校へ行きます。
2. She practices to become a tennis player. 彼女はテニス選手になるために練習します。
3. They came here to meet you. 彼らはあなたに会うためにここへ来ました。
4. I am here not to meet him. 私は彼に会わないようにここにいます。

1はtoが2つありますが、to studyのほうが不定詞です。
I go to schoolで「私は学校へ行きます」という意味なので、to studyは「勉強するために」と訳すのが自然です。
もし「勉強すること」と名詞的用法の訳し方をしてしまうと、「私は学校へ行きます」という文と意味が繋がらなくなってしまいますね。

2のto becomeは「~になるために」という意味です。この文の動詞はpractice(練習する)で、主語のsheが三人称単数形なのでpracticesになっています。
to becomeは不定詞で、toの後ろは必ず動詞の原形が来ますので、becomeに三単現のsを付けてはいけません。

3は動詞のcomeがcameになっているので、過去形の文です。
to meetが不定詞で「~会うために」という意味です。このmeetも過去形にする必要はなく原形のままにしなければいけません。

4は「~しないように」という不定詞の否定文ですが、notの位置に注意してください。
普通の否定文ではnotはbe動詞の後ろやdon’tなどを使いますが、不定詞「~しないように」は「not to ~」と覚えておいてください。

■~するための(形容詞的用法)
3つ目の「~するための(形容詞的用法)」は、動詞に形容詞の役割をさせます。

形容詞は名詞を修飾し、例えば「~するためのボール」「~するための机」のように使われます。

それでは例文を見てみましょう。

1. This is a ball to play soccer. これはサッカーをするためのボールです。
2. I don’t have a desk to study. 私は勉強するための机を持っていません。
3. Are you ready to go home? あなたは帰るための準備ができていますか?
4. I want something to drink. 私は何か飲み物が欲しい。
5. I don’t want anything to drink. 私は飲み物は何も欲しくありません。
6. I have nothing to do today. 私は今日何もすることがありません

1はto playが不定詞で、前にあるa ballという名詞を修飾しており、「どんなボールなのか、なんのためのボールなのか」を説明しています。

2は不定詞を使った否定文です。
to studyは、どんなdeskなのかを説明しています。

3は、不定詞を使った疑問文です。
be ready to ~「~する準備ができている」と覚えておいてください。

4はsomething to drinkで「飲むための何か」、つまり「何か飲むもの」「飲み物」と訳します。
「温かい飲み物」ならsomething hot to drinkと表現します。
同じように「何か食べるもの」ならsomething to eat、「何か読むもの」ならsomething to readと表現します。

5は4の否定文です。somethingは、否定文ではanythingになり「何も~ない」という意味になります。

6の文は一見肯定文に見えますが、nothingは否定の意味を持った単語なので「何も~ない」と訳します。
nothing to doで「何もすることがない」という意味です。nothingが否定の役割をしているので、間違えて「I don’t have nothing」と二重否定にしてしまわないように気を付けてください。

不定詞の形容詞的用法は名詞を修飾する役割があるので、不定詞toの直前には名詞が置かれます。

不定詞と疑問詞

不定詞と疑問詞
不定詞は、疑問詞と組み合わせることで以下のような意味があります。

・what to ~(何を~するべきか)
・which to ~(どちらを、どれを~するべきか)
・where to ~(どこに、どこで~するべきか)
・when to ~(いつ~するべきか)
・how to ~(どのように~するべきか、~する方法)

疑問詞を使いますが、肯定文や否定文では文末にはクエスチョンマークを付ける必要はありません。
疑問文の中で使う場合は、もちろんクエスチョンマークは必要です。

それでは例文です。

1. I don’t know what to do. 私は何をするべきかわかりません。
2. I must decide which to choose. 私はどちらを選ぶべきか決めなければなりません。
3. He is thinking where to play baseball. 彼はどこで野球をするべきか考えているところです。
4. Sayuri asked him when to start running. サユリはいつ走り始めるべきか彼に尋ねました。
5. Please tell us how to cook dinner. 夕食の調理方法を私たちに教えてください。

1はwhat to doで「何をするべきか」です。もしwhat to studyなら「何を勉強するべきか」、what to buyなら「何を買うべきか」という意味になります。
また、「何の本を読むべきか」であれば「what book to read」と表現します。

2はwhich to chooseなので「どれを(どちらを)選べばいいか」という意味です。
もし「どちらの本を選べばいいか」なら、「which book to choose」というふうに、whichの後ろに名詞を挟みます。
mustは「~しなければならない」という助動詞です。decideは「決断する」という動詞なので、must decideで「決断しなければならない」という意味です。

3のwhere to playは「どこで(スポーツなどを)するべきか」です。
he is thinkingは現在進行形なので、「~しています、~しているところです」と訳します。

4はwhen to startなので「いつ始めたらいいか」という意味です。その後ろのrunningは動詞runにingが付いた、動名詞です。直訳すると「走ることをいつ始めたらいいか」ですが、「いつ走り始めたらいいか」と訳したほうがスムーズですね。

5はpleaseから始まる依頼文(~してください)です。please tell usで「私たちに教えてください」という意味です。how to cook dinnerで「夕食の作り方」や「夕食の調理方法」と訳します。「どのように夕食を調理すればいいか」でも正解です。
また、how to ~は「the way to ~」に書き換えられます。wayには「方法」や「道」という意味がありますので、the way to ~で「~するための方法」と覚えておいてください。全文を書き換えると「please tell us the way to cook dinner.」です。

動名詞から不定詞(不定詞から動名詞)への書き換えによって意味が変わる特殊な文(stop、remember等)は間違えやすいポイントです。
定期テスト等では引っ掛け問題としてよく出てきますので、ここで点数を落とさないよう意識して学習しましょう。
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