基礎から学ぶ中学英語 受動態(受け身)
中学英語で学習する「受動態(受け身)」の文法について説明しています。
学校や塾での予習や復習にお役立てください。
受動態(受け身)
受動態(受け身)は、中学英語で学習する重要な文法の一つです。
受動態の学習では文法を覚えることと同時に動詞の「過去分詞」を覚えることも必須です。
受動態の作り方を覚えていても、過去分詞が頭に浮かばないと問題を解くことが難しくなってしまいますので、ノートや単語帳にまとめておきましょう。
受動態(受け身)の文とは
受動態(受け身)とは、「~される」という形の文のことを指します。
「彼はみんなに愛されています」や「このケーキはお店で売られています」という表現が受動態です。
このような受動態の文を英語にすると、以下のようになります。
2. She is helped by her mother. 彼女はお母さんに手伝ってもらいます。
3. We are invited to the party. 私たちはパーティーに招待されます。
4. The dog is caught by them. その犬は彼らに捕まえられます。
5. These books are read by people around the world. これらの本は世界の人々に読まれています。
このように、受動態の文は「be動詞+動詞の過去分詞」で作られます。
過去分詞とは、動詞の変化形(活用形)の一つです。
例えば「書く」という動詞はwriteですが、過去形はwrote、過去分詞はwrittenという形に変化します。
writeのように、原形・過去形・過去分詞でそれぞれつづりが全く変わってしまうものや、look(見る)のように過去形と過去分詞が共通(looked)になるものもあります。
どの動詞がどのように変化するかは、一つずつ覚えていくしかありません。
新しい動詞を学習した時には、原形と同時に過去形・過去分詞もしっかり覚えていきましょう。
1の例文は、主語がheなのでbe動詞はisを使います。
その後ろにlove(愛する)の過去分詞であるlovedがくっ付きます。
byは「~によって」という意味があり、受動態の文ではよく出てきます。
2の例文は、受動態らしく和訳すると「彼女はお母さんに手伝われます」となりますが、日本語としては「手伝ってもらいます」という表現のほうがスマートですね。
3の例文も、1や2の例文と同じ作り方になっています。
「invite to ~」で「~に招待する」という意味です。
4の例文では、caughtという過去分詞がありますが、この原形はcatch(捕まえる)です。
5の文では、readという過去分詞があります。readは原形も過去形も過去分詞も同じつづりです。
ただし発音が異なり、原形のreadは「ríːd」、過去形と過去分詞は「réd」と読みます。「リード、レッド、レッド」と覚えましょう。
このようにreadという動詞は少し特殊なので、穴埋め問題や発音問題によく出題されます。必ず頭に入れておいてください。
受動態への書き換え
練習問題やテストでは、「次の文を受動態に書き換えなさい」という問題がよく出ます。
この時に注意をしないといけないのは、通常の文(平叙文と言います)を受動態に書き換えると、主語が変わるという点です。
例文で見てみましょう。
→This apple is eaten by me. このリンゴは私に食べられます。
2. The teacher asks me a question. 先生は私に質問をします。
→I am asked a question by the teacher. 私は先生に質問されます。
3. Takashi buys that notebook. タカシはあのノートを買います。
→That notebook is bought by Takashi. あのノートはタカシに買われます。
4. My mother cleans my room. 母は私の部屋を掃除します。
→My room is cleaned by my mother. 私の部屋は母に掃除されます。
5. You give him a present. あなたは彼にプレゼントを贈ります。
→He is given a present by you. 彼はあなたからプレゼントを贈られます。
例文で下線を引いている単語が、受動態では主語になっています。
平叙文を受動態に書き換えるには、まず動詞を「~される」という形に変えてみましょう。
例えば1の文では、「食べます」という動詞がありますが、これを受動態にすると「食べられます」になります。
では、「何が」食べられるのでしょうか。「リンゴ」が食べられるのです。つまり「リンゴ」が主語にならないといけません。もし主語を「私は」のままにしてしまうと、「私はリンゴに食べられます」になってしまいますね。
そしてリンゴは「私によって」食べられるので、「by me」を最後に付けます。
2の文では「質問します」が動詞ですね。では「質問される」のは誰でしょうか。「私」ですね。
3の文でも考え方は同じです。「買われる」のは「ノート」ですので、受動態の文ではノートが主語になります。
boughtは動詞buy(買う)の過去分詞です。
4の文では「掃除される」のは「私の部屋」ですので、主語は「私の部屋」です。
cleanはここでは「掃除する」という意味の動詞です。形容詞として「清潔な、きれいな」という意味もあります。
5の文は「贈られる」、つまりプレゼントを受け取るのは「彼」なのでheを主語にしています。
ただし、この文の場合は「贈られる」のは「プレゼント」だと考えることもできます。
プレゼントを主語にした場合は「A present is given to him by you.」となります。
このように、一つの文の中で目的語(~を、~に)が2つ存在する場合があります。(giveやbuyという動詞が入っている文によく見られます。)
この例文では「彼に」「プレゼントを」という目的語が2つあるので、受動態にする場合はどちらも主語に持ってくることができます。
■「受動態→平叙文」への書き換え
平叙文から受動態の文への書き換えについて説明しましたが、逆に「受動態から平叙文へ書き換えなさい」という設問が出てくる場合もあります。
この時も同じように、まずは動詞「食べられる」を「食べる」に置き換えて、「誰が」食べるのかを考えます。
その際、気をつけなければいけないのは、平叙文にうっかりbe動詞を使ってしまわないことと、過去分詞を原形に変えることです。
特に過去分詞を原形に変える時には、主語が三人称単数形であるかをチェックし、三人称単数形の場合は三単現のsを付けてください。
否定文
受動態の文を否定文にするにはどうすればいいのでしょうか。
これは簡単で、be動詞にnotを付ければ良いのです。
先ほど例に出した受動態の文を、否定文にしてみましょう。
2. I am not asked a question by the teacher. 私は先生に質問されません。
3. That notebook is not bought by Takashi. あのノートはタカシに買われません。
受動態の否定文は、be動詞の後ろにnotを入れるだけなので、それほど難しくありません。
ただ、「受動態の否定文(~されません)」を「平叙文の否定文(~しません)」に変える際にはbe動詞を外して「don’t」や「doesn’t」を使うことになりますので気を付けてください。
例えば3の文を「平叙文の否定文(~しません)」に変えると「タカシはあのノートを買いません」になるので、英文では「Takashi doesn’t buy that book.」になります。
疑問文
受動態の文を疑問文(受動態の疑問文)に変えるにはどうすればいいのでしょうか。
受動態の文はbe動詞が使われているので、be動詞を先頭に持ってきます。
→Yes, it is./No, it isn’t. はい、料理されます。/いいえ、料理されません。
2. Am I known by your sister? 私はあなたの妹に知られていますか?
→Yes, you are./No, you aren’t. はい、知られています。/いいえ、知られていません。
3. Are those cakes made by Sayuri? あれらのケーキはサユリによって作られますか?
→Yes, they are./No, they aren’t. はい、作られます。/いいえ、使われません。
疑問文に対する回答文にもbe動詞を使います。
3の例文の「Yes, they are.」は「Yes, they are made by her.」、「No, they aren’t.」は「No, they aren’t made by her.」が省略されていると考えてください。
受動態の過去形
既に「過去形」について学習している皆さんには、受動態の過去形の作り方についても説明しておきます。
「受動態の過去形」とはつまり、「~されました」という意味です。
受動態の文はbe動詞を使うので、be動詞を過去形にするだけで作ることができます。
areの過去形・・・were
それでは受動態の過去形を使った例文を挙げてみましょう。
2. I was taught English by my father. 私は父から英語を教えられました。
3. They were not chosen as players. 彼らは選手として選ばれませんでした。
4. Were these dishes washed yesterday? これらの皿は昨日洗われましたか?
→Yes, they were./No, they weren’t. はい、洗われました。/いいえ、洗われませんでした。
このように、be動詞を過去形にして後ろに過去分詞を持ってきます。
1~3の例文の場合、be動詞を現在形(am、is、are)に変えればそのまま現在形の文に変えることができます。
しかし、4の例文のWereをAreに書き換えることはできません。
なぜなら、文の中にyesterday(昨日)という過去を表す単語が入っているからです。
文の中にyesterdayやlast night(昨晩)、five years ago(5年前)など、過去を表す表現が含まれている場合は、現在形の文書き換えることはできないので注意しましょう。
また、これらの例文を平叙文(~しました)に書き換える場合は一般動詞の形に注意です。
1の例文を「タカシはその手紙を書きました」という平叙文に書き換えると、「Takashi wrote the letter.」です。writeの過去形wroteを使います。
2の例文は「父は私に英語を教えました」ですので「My father taught me English.」です。
3の例文を平叙文にする場合は主語がないので、仮に「(先生は)彼らを選手として選びませんでした」と考えます。すると「The teacher didn’t choose them as players.」になります。
4の例文も同じで、「(あなたは)これらのお皿を昨日洗いましたか?」と考えると、「Did you wash these dishes yesterday?」「Yes, I did.」「No, I didn’t.」という書き方になります。
受動態の文を疑問文・否定文・過去形に書き換える場合は、過去分詞の形は変えずにbe動詞の位置や形を変化させることで表現できます。 まずは基本的な受動態の文の作り方をしっかり覚えることから始めましょう。