基礎から学ぶ中学英語 助動詞
中学英語で学習する「助動詞」について解説しています。
既に学習している方は頭の中を整理するために、まだ学習していない方は予習として参考にしてみてください。
助動詞
中学英語では助動詞を使った文がたくさん出てきます。
ここでは助動詞の意味、使い方、否定文・疑問文の作り方等について説明します。
助動詞とは
助動詞とは、「動詞を助ける」役割をする単語のことです。
例えば「走る」という動詞の場合、「走ることができる」「走るつもりだ」「走らなければならない」のように、「走る」にさらに意味を付け加える役割をしているのが助動詞です。
助動詞の種類
中学英語で学習する助動詞には以下の種類があります。
may・・・~かもしれない、~してもよい
will・・・~でしょう、~するつもりだ
must・・・~しなければならない、~する必要がある
shall・・・~しましょう、~しましょうか
それぞれの助動詞を使った例文を挙げてみます。
2. He may come here. 彼はここに来るかもしれません。
3. We will go to the park tomorrow. 私たちは明日公園に行くつもりです。
4. They must practice hard. 彼らは一生懸命練習しなければなりません。
5. Shall we play baseball? 野球をしませんか?
このように、助動詞を使う場合は「助動詞+動詞の原形」で文を作ります。
1は助動詞can(~できる)を使った文です。
もちろん「私は英語を話せます」と訳してもOKです。
2は助動詞may(~かもしれない)の文です。
mayは「~してもよい」と許可を与える意味も持ちますが、ここでは「~かもしれない」で訳しています。
例文のように一文だけであればどちらの意味で訳しても構いませんが、もし長文問題等で前後の文がある場合は、文脈で判断して訳しましょう。
3は助動詞will(~でしょう、~するつもりだ)の文です。
willは未来の出来事を表す時や、自分の意志を表す時に使われます。
例えば明日の天気を言う時は「It will rain tomorrow.(明日は雨でしょう)」と表現します。これは「自分の意志」ではなく単純に天気の予想なので、「~でしょう」と訳すのが一般的です。
4は助動詞must(~しなければならない、~する必要がある)の文です。
「must be ~」で「~に違いない」という意味もありますので、一緒に覚えておきましょう。
「タカシは彼女の弟に違いない」は「Takashi must be her brother.」です。
5は助動詞shallを使った文ですが、中学文法では疑問文で使われるケースが多いので、「Shall we ~?」は「(私とあなたが一緒に)~しませんか?」という意味で覚えておいてください。
もし「Shall I ~?」なら「(私が)~しましょうか?」という意味になります。
■助動詞の書き換え
助動詞の中には別の表現に書き換えることができるものがあります。
will = be going to ~ ~するつもりだ
must = have to ~ ~しなければならない
Shall we ~? = Let’s ~. ~しましょう
先ほど挙げた例文を、書き換えてみます。
→I am able to speak English.
2. We will go to the park tomorrow. 私たちは明日公園に行くつもりです。
→We are going to go to the park tomorrow.
3. They must practice hard. 彼らは一生懸命練習しなければなりません。
→They have to practice hard.
4. Shall we play baseball? 野球をしませんか?
→Let’s play baseball.
この場合も、一般動詞はすべて原形のままである点に注意してください。
1はcanをbe able toに書き換えることができます。
beというのはbe動詞のことなので、主語によってam、are、isに変化します。
主語がyouなら「are able to」、heなら「is able to」です。
2はwillをbe going toに書き換えています。
こちらもbeは主語によって形を変えます。(You are going to、She is going to)
3はmustをhave toに書き換えています。
この時に注意するべき点は、主語が三人称単数形の場合はhas toに変わることです。
「彼は一生懸命練習しなければなりません」なら「He has to practice hard.」になります。
4のshall we ~?は、「(私たちと一緒に)~しませんか?」という意味ですので、Let’sに書き換えることができます。Let’sはlet usの短縮形です。
もしShall I ~?なら、「(私ひとりが)~しましょうか?」という意味になりますので、Let’sに書き換えることはできません。
■助動詞の過去形
助動詞には、過去形もあります。
may → might
will → would
must → had to
shall → should
では例文です。
2. He might be rich. 彼は金持ちだったかもしれません。
3. Would you help me? 私たちを手伝っていただけませんか?
4. They had to go home. 彼らは帰らなければなりませんでした。
5. You should be a doctor. あなたは医者になるべきです。
1はcanの過去形couldが使われているので、「~できた」という意味になります。
be able toを使った過去形の文にするなら、「We were able to buy apples.」というふうにbe動詞を過去形にすればOKです。
2のmightはmay(~かもしれない)の過去形なので、「~だったかもしれない」と訳すのが良いですね。
3はwillの過去形wouldですが、中学英語ではWould you ~?(~していただけませんか?)という表現で使われることが多いので覚えておいてください。
「Will you ~?」でも「~してくれませんか?」という意味なのでほとんど同じなのですが、「Would you ~?」のほうがより丁寧な頼み方です。
同じように、「Can you ~?」「Could you ~?」も「~してくれませんか?」という意味で使われます。
4の文は、mustには過去形がないので、代わりにhave toの過去形である「had to」を使っています。
5ではshallの過去形shouldが使われていますが、中学英語ではshouldを「~すべきだ」という意味で使われるケースのほうが多いようです。
否定文
助動詞を使った否定文は、助動詞の後ろにnotを入れることで作れます。
ただし、訳し方に注意する必要があります。
may not・・・~してはいけない
will not(won’t)・・・~しないでしょう、~しないつもりだ
must not(mustn’t)・・・~してはいけない
should not(shouldn’t)・・・~すべきではない
don’t(doesn’t) have to ・・・~する必要がない、~しなくてもよい
canを否定形にする場合はcannot(can’t)と書き、「~できない」という意味になります。canとnotの間にはスペースを入れずに書きましょう。
mayは肯定文では「~してもよい」と許可を与える助動詞ですが、may notになると許可が取り消され、「~してはいけない」という意味になります。
「~しなくてもよい」と訳さないように気を付けてください。
willの否定形はwill not(won’t)です。「~しないだろう」「~しないつもりだ、するつもりがない」という意味です。
mustの否定形はmust not(mustn’t)です。mustは「~しなければならない」ですが、否定形になると「~してはいけない」という禁止の意味になります。
shouldの否定形はshould not(shouldn’t)で、「~すべきではない」という意味です。
have to(~しなければならない)の否定形はdon’t(doesn’t) have toで、「~する必要がない」という意味です。
「have to」=「must」ですが、「don’t have to」=「must not」ではない点に注意が必要です。
例文を見てみましょう。
2. You may not play soccer. あなたはサッカーをしてはいけません。
3. It will not be sunny tomorrow. 明日は晴れないでしょう。
4. They must not go there. 彼らはそこに行ってはいけません。
5. You should not have a dog. あなたは犬を飼うべきではありません。
6. He doesn’t have to study English. 彼は英語を勉強する必要はありません。
1は単純に「~できない」と訳して問題ありません。
2は、may notなので「~してはいけません」という意味になります。
「しなくてもよい」という意味にしたい場合は「You don’t have to play soccer.」になります。
3は未来を表す助動詞willの後ろに否定を表すnotが使われていますので、「~しないでしょう」と訳します。
4のmust notは禁止を意味しているので「~してはいけない」と訳します。
may notとほとんど同じ意味と考えておいて問題ありません。
5はshould notなので「~すべきではない」という意味です。
6は主語がheなのでdoesn’t have toが使われています。「必要がない」という意味なので、「He doesn’t need to study English.」に書き換えることができます。
この「need to ~」は不定詞という文法で学習する表現ですので、まだ学習していない場合はここでは覚えておく必要はありません。
疑問文
疑問文を作るには、助動詞を文の先頭に持ってきます。
早速例文を見てみましょう。
→Yes, I can./No, I can’t. はい、できます。/いいえ、できません。
2. Can(Could) you help me? 私を手伝ってくれますか?
→Sure./Sorry, but I can’t. もちろんです。/ごめんなさい、できません。
3. May I take this notebook? このノートを持って行ってもいいですか?
→Yes, you can./Sorry, you can’t. はい、いいですよ。/ごめんなさい、持って行ってはいけません。
4. Will it rain tomorrow? 明日は雨が降るでしょうか?
→Yes, it will./No, it won’t. はい、降るでしょう。/いいえ、降らないでしょう。
5. Will(would) you like some coffee? コーヒーはいかがですか?
→Yes, please./No, thank you. はい、お願いします。/いいえ、結構です。
6. Must I learn Spanish? 私はスペイン語を勉強しなければなりませんか?
→Yes, you must./No, you don’t have to. はい、しなければなりません。/いいえ、する必要はありません。
7. Shall I cook lunch? 昼食を作りましょうか?
→Yes, please./No, thank you. はい、お願いします。/いいえ、結構です。
8. Shall we go to the shop? そのお店に行きませんか?
→Yes, let’s./No, let’s not. はい、行きましょう。/いいえ、やめておきましょう。
1は単純なcanの疑問文なので「~できますか?」と訳してOKです。
答える側もcanを使って答えます。
2もcanを使った疑問文なので「あなたは私を手伝うことができますか?」でもよいのですが、「Can you ~?」は「~してくれませんか?」という依頼と考えたほうが良いケースも多くあります。
依頼された側は、快く受け入れるなら「Sure.(もちろん)」、やってあげたいけれどできないという場合は一旦「Sorry」と謝っておいて、「できないのです」と答えます。
この他にも回答の仕方は様々ですが、中学英語ではこのパターンで覚えておきましょう。
3は「~してもいいですか?」と許可を求めるMay I ~?が使われています。
答える側はmayではなくcanを使います。
もしmayを使って回答すると、「自分より立場が下の人に対して許可を与える」という意味なりますので、そうでない場合はcanを使うほうがふさわしい表現です。
4は未来を表すwillの疑問文です。天気の話をしているので「~するつもりですか?」ではなく「~でしょうか?」と訳しましょう。
5もwillを使った疑問文ですが、「Will(Would) you like ~?」で「~はいかがですか?」という意味になることを覚えておいてください。
答える側は、「はい、お願いします(ください)」「いいえ、結構です」と答えましょう。
6はmustを使った疑問文で「~しなければなりませんか?」という意味です。
ここで気を付けたいのが、答え方です。
Yesの場合は「Yes, you must.」で良いのですが、Noの時は「No, you mustn’t.」とは答えられません。
must not(mustn’t)は「~してはいけない」という意味でしたね?
ここでは「~しなければなりませんか」と聞かれているので、Noの場合は「しなくてもよい」と答える必要があります。
「~しなくてもよい」はdon’t have toを使って回答してください。
7はShall I ~?なので、「(私が)~しましょうか?」と訳します。
答える側は「はい、お願いします」「いいえ、結構です」で答えましょう。
8の場合はShall we ~?なので、「(私とあなたが一緒に)~しませんか?」という文ですね。
誘われた側は「はい、一緒にしましょう」「いいえ、やめておきましょう」と答えるのでlet’sを使ってください。
このページを一通り読んだ後は、問題集などを活用して本当に理解できているかチェックしてください。
間違えた問題は時間を置いてからもう一度解いてみましょう。