基礎から学ぶ中学英語 動詞の使い方
中学校で学習する英語の基礎的な文法「動詞」について、詳しく解説しています。毎日の授業の予習や復習、テスト前の文法整理などにご活用ください。
動詞を理解する
中学で学習する英語の文は、ほとんどの場合「主語+動詞」で成り立っています。
つまり、中学英語では動詞の単語や使い方を覚えておかないと、その後の学習に苦労してしまう可能性があります。
ここでは中学で学習する動詞について、解説していきます。
そもそも動詞とは?
動詞という言葉は、国語の授業でも聞いたことがあると思います。
その字のとおり、「動きを表す言葉」のことです。
日本語で言うと、例えば「食べる」「走る」「遊ぶ」「泳ぐ」等の言葉が動詞に当てはまります。
2種類の動詞を覚えよう
英語における動詞には、大きく分けて「一般動詞」と「be動詞」という2つの種類があります。
この2つの動詞の違いをしっかり覚えておくことが大切です。
一般動詞とは?
一般動詞とは、「普通の動詞」のことと考えて良いでしょう。
「食べる」「遊ぶ」「走る」「泳ぐ」「行く」等の、動きを表す言葉です。
どの単語を思い浮かべても、人や動物が動いて何かをしている姿が思い浮かびますね。これが一般動詞です。
be動詞とは?
一般動詞に対して、「be動詞」と呼ばれる動詞があります。
一般動詞の場合は、上で書いたように非常にたくさんの言葉がありますが、be動詞に当てはまるのは「be」という単語1つだけです。
「be」には、「~である」「~がある」という意味があります。
例えば「私は先生である(私は先生です)」という文を見ると、一見動作を表す言葉、つまり動詞が無いように見えますよね。
しかし、実は「~である」という部分が動詞、つまりbe動詞に当てはまるのです。
英語の文は基本的に「主語+動詞」で作られるので、日本語の文を見た時に「あれ?動詞がない?」と思ったときはbe動詞を当てはめることを思い浮かべてください。
先ほど「be動詞はbeという単語1つだけ」と言いましたが、beは主語によって形が変化します。
主語というのは「私は」「あなたは」「彼は」「それは」等の言葉のことで、動作をする人は誰なのか、を表す言葉です。
be動詞は主語によって「am」「are」「is」に変わります。
・主語が「You(あなたは)」もしくは「They(彼らは)」や「We(私たちは)」などの複数形の時・・・are
・主語が「He(彼は)」、「She(彼女は)」、「It(それは)」の時・・・is
このようにbe動詞は主語によって形が変わるということを理解しておきましょう。
「I am」「You are」「They are」「We are」「He is」「She is」「It is」と主語とセットで覚えておくと良いですね。
もし、主語が「タカシ」「車」「猫と犬」という言葉なら、どのbe動詞を選ぶでしょうか。
「タカシ」は一般的には一人の男性を表す言葉です。日本語では「彼」に置き換えられます。「彼」は英語では「He」、Heの場合に使うbe動詞はisなので、「Takashi is」が正解です。
「車」は乗り物を表す言葉です。「それ」という物を指す言葉に置き換えられます。「それ」は英語では「It」、Itの場合はisを使うので、「A car is」が正解です。
「猫と犬」はどちらも動物で、2匹(もしくは2匹以上)を表しています。動物の場合は「それ」という扱いになります。
「それ」といえば「It」を思い浮かべますが、ここでは2匹以上が登場しているので複数形として扱います。つまり、「それら」=「They」と置き換えられます。
主語がTheyの時のbe動詞はareなので、正解は「A cat and a dog are」です。
一般動詞とbe動詞、どちらを使う?
まずは日本語の文を見た時に、この文を英語にする時に一般動詞を使うのかbeを使うのかをきっちり見分けましょう。
以下の文のうち、一般動詞を使う文はどれでしょうか。
2. あなたは昼食を食べます。
3. 私は背が高い。
4. あなたは中学生です。
正解は1と2です。文の終わりを見ると、「行く」「食べる」という言葉が入っていますよね。これは一般動詞を使う文です。
3と4は「高い」「中学生です」となっていますが、これは動きを表す言葉ではありません。つまり、be動詞を使う文です。
英文を学習する前に、まずは日本語の文を見て一般動詞を使うかbe動詞を使うかを判断すると、理解しやすくなるでしょう。
動詞の学習方法
ここでは動詞の使い方(文法)について説明していますが、文法を理解するのと同じくらい(もしかするとそれ以上に)重要なのは、「単語を覚えること」です。
動詞の単語を覚えよう
中学の試験問題では、単語の意味を書いたり日本語を英単語に書き換える問題が必ずと言ってよいほど出題されます。
単語を覚えておかないとここで点数を取ることができませんし、その後の英文の問題に関しても解くのが難しくなります。
まず英単語をしっかり覚え、そこから文法の学習に入るという方法をお勧めします。
英単語の覚え方は、昔から使われている方法ですが、単語帳を活用しましょう。小さな紙の束がリングでまとめられている、あの単語帳です。
単語帳がなければ普通のノートを使っても構いません。
単語帳の場合、表に英単語、裏に日本語での意味を書きます。ノートの場合はページの左型に英単語を書き並べ、右側に日本語の意味を書きましょう。
まずは英単語を見て意味を言えるように繰り返し練習します。
意味を覚えたら、今度は逆に日本語の意味を見て英単語が言えるようにします。
試験では発音問題も出てきますので、英単語の読み方も一緒に覚えておきましょう。
また、口では答えられてもスペル(綴り)が分からず書けないというケースも多いので、何度もノートに書いてマスターしましょう。
簡単な例文を覚えよう
動詞の単語を覚えたら、例文を覚えましょう。
ここでは覚えやすい簡単な例文を紹介します。
2. She is beautiful. 彼女は美しい。
3. Takashi is my friend. タカシは私の友達です。
4. You have lunch. あなたは昼食を食べます。
5. Sayuri swims fast. サユリは速く泳ぎます。
いずれの文も主語の後ろは一般動詞かbe動詞が使われていますね。
英単語を覚えるときと同じように単語帳やノートに書いて読み上げ、暗記してしまいましょう。
「三人称単数形現在」の英文
上に書いた例文の中で、一つ気になったことはありませんか?
5番目の文で使われている一般動詞「swim(泳ぐ)」に、「s」が付いています。
他の4つの文の動詞には付いていないのに、5番目の文の動詞にだけ「s」が付いているのはなぜでしょうか。
その理由は、主語(Sayuri)が「三人称単数形」であり、「サユリは速く泳ぎます」という文が現在形の文になっている、つまり「三人称単数形現在」であるためです。
詳しくは、次の項目で見てみましょう。
「三人称」「単数形」「現在」に分けて考えよう
「三人称単数形現在」とは聞きなれない言葉で、なんだか難しそうです。
この言葉を「三人称」「単数形」「現在」と3つに区切って考えてみましょう。
まず「三人称」とは、「私」でも「あなた」でもない「その他の人や物」のことです。「一人称」や「二人称」という言葉も存在します。
「私=一人称」、「あなた=二人称」、「それ以外=三人称」です。
英語で言うと、「I」が一人称、「You」が二人称、それ以外が三人称です。
「それ以外」というのは具体的に、
・She(彼女は)
・It(それは)
・They(彼らは、彼女らは、それらは)
等です。
その他に、TakashiやSayuri、The Dogs等も三人称です。Takashiはhe、Sayuriはshe、The dogはTheyに置き換えられますね。
次に、「単数形」とは、「1人または1つ」であることを示します。
単数形の反対語は複数形(2人以上または2つ以上)です。
「私」や「彼」は単数形ですが、「私たち」や「彼ら」は複数形です。
単数形は具体的に、
・You(あなたは)
・He(彼は)
・She(彼女は)
・It(それは)
等、もしくはこれらの代名詞に置き換えられる言葉が当てはまります。
最後に、「現在(現在形)」という言葉ですが、もしあなたが今中学一年生であれば、一般的には教科書やテキストには「現在形」の文しか登場しませんので、ここでは覚えておく必要はありません。
しかし、あなたがもし既に「現在形・過去形・未来形」について学習したことがあるなら、これらの違いをしっかり理解しておく必要があります。
現在形とは、「過去の経験や将来やってみたいと思っていることではなく、現在日常的に行っている状態を表す」と思ってください。
例えば、「私は本を読みます」は日常的に本を読んでいることを表しています。(現在形)
「私は本を読みました」の場合は過去に1度もしくは何回か本を読んだことがある、という意味になります。(過去形)
「私は本を読むつもりです」は、まだ本を読んでいない、将来的に読むつもりだ、という未来の話をしていることになります。(未来形)
文が現在形・過去形・未来形のいずれであるかを判断するためには、動詞に注目します。
「食べる」は現在形、「食べた」は過去形、「食べるでしょう(食べるつもりだ)」は未来形です。
「~です」は現在形、「~でした」は過去形、「~でしょう」「~するつもりだ」は未来形です。
三人称単数形現在に当てはまるのはどれ?
まとめると、主語が「三人称」「単数形」であり、動詞が「現在形」に当てはまるものが「三人称単数形現在の文」ということになります。
それでは次の文は三人称単数形現在に当てはまるでしょうか?
2. あなたは学校へ行きます。・・・「あなたは」は二人称なので×
3. 彼は私の兄です。・・・「彼は」は三人称で単数形、「兄です」は現在系なので○
4. タカシとサユリは学校に行きます。・・・「タカシとサユリ」複数形なので×
5. 彼女の犬は走りました。・・・「彼女の犬は」は三人称で単数形だが、「走りました」は過去形なので×
6. 私とサユリは英語を勉強します。・・・「私とサユリは」は複数形なので×
7. 私の母は明日買い物に行きます。・・・「私の母は」は三人称で単数形だが、「明日」という単語が入っている(=未来形)なので×
少し複雑ですが、今後過去形や未来形の文を学習するときにも重要になってくるので、繰り返し練習してきっちり固めましょう。
三人称単数形現在の文には動詞に「s」または「es」が必要!
主語が三人称単数形で、現在形の文の場合は、一般動詞の末尾に「s」もしくは「es」を付ける必要があります。
be動詞の文の場合は付ける必要はありません。
この「s」や「es」のことを、よく「三単現のs」と呼びます。
「三単現」とは「三人称単数形現在」を省略した言葉です。
例えば「サユリは速く泳ぎます」という文があります。
「サユリは(Sayuri)」・・・主語(三人称単数形)
「泳ぎます(swim)」・・・動詞(現在形)
「速く(fast)」・・・副詞
英文にすると「Sayuri swims fast.」が正解です。
「泳ぐ」は「swim」ですが、三人称単数形現在の文なので「swims」になります。
同じように、
2. タカシは大阪に住んでいます。 Takashi lives in Osaka.
3. 私の母は一生懸命働きます。 My mother works hard.
4. その猫はゆっくりと歩きます。 The cat walks slowly.
5. サユリはテレビを見ます。 Sayuri watches TV.
6. 彼女は英語を勉強します。 She studies English.
1~4の例文では、一般動詞に「s」を付けるだけです。
しかし5の例文では「watch(見る)」に「es」が付いています。
6の文では「study(勉強する)」の「y」が「i」に変化し、さらに「es」が付いています。
「es」を付けなければいけないパターン
「es」や「yをiに変えてes」を付けなければならない一般動詞は、暗記してしまうのが手っ取り早いですが、見分け方は次の通りです。
yをiに変えてesを付ける・・・一般動詞が子音字+yで終わる場合
例文で書いた「watch」は「ch」で終わっているので、「es」を付けます。
「study」はyの前に「d」という子音字があるので、「yをiに変えてes」になります。
なお、子音字とは母音字(a、i、u、e、o アイウエオと読める字)以外のアルファベットのことです。
つまり、「play」という一般動詞の場合はyの前が「a」という母音字のため、このパターンには当てはまらず、「plays」という風にsだけを付ければ良いのです。
注意!不規則変化の動詞「have」
三人称単数形現在の文の場合は一般動詞に「s」または「es」を付けると説明しましたが、実は例外があります。
それは、「have(持つ、食べる)」という一般動詞が登場する場合です。
「have」の場合は「haves」ではなく、「has」という形に変わります。
「彼は本を持っています」という文は、「He has a book.」となります。
これは引っ掛け問題として試験で必ずと言ってよいほど出題されるパターンですので、是非とも覚えておきましょう。
ここで解説した内容を理解した後は問題集を解いてみるなど、本当に理解できているかどうかを実践してみてください。
また、英単語の暗記は英語を学習する上で必ず必要です。毎日少しずつ覚えるようにしましょう。