高校受験に向けて | 中学英語勉強法まとめ完全版
高校受験に向けての勉強方法を解説しています。 中学三年生はもちろん、一年生・二年生のみなさんもぜひ一度目を通してみてください。
高校受験に向けて
中学二年生の後半くらいになってくると、「来年は受験生」という意識が徐々に芽生えてくるかと思います。
多くの中学生にとっては高校受験が初めての入学試験となるので、どのように勉強すれば良いのか戸惑い不安でいっぱいかもしれません。
ここでは高校受験に向けた英語の勉強方法について説明していきます。
受験する高校について調べる
もし既に行きたい高校が決まっているなら、その高校の入試にどのようなタイプがあるのか調べてみましょう。
最も一般的なのは、国語・英語・数学・理科・社会の試験を受けて合否が決まる「一般入試」です。
スポーツに力を入れている高校や、音楽や美術などの芸術分野の教育を中心にしている高校であれば、主にそれらの実技能力によって合否が決まる「特別入試」や「推薦入試」等があります。
このように、都道府県や各高校によって様々なタイプの選抜方法が導入されています。
また、公立高校の一般入試の場合は基本的に5科目すべての試験がありますが、私立高校の場合は5科目や3科目(国語・数学・英語)等、科目数が異なる場合があります。
国際コースや英語コース等、英語教育に重点を置いたコースが設けられている高校の場合は、英語の点数配分が他の科目よりも高く設定されていることもあります。
まずは、受験する予定の高校の受験要項を確認し、どの科目を受験しなければならないのか、点数配分がどうなっているのかを必ず調べておきましょう。
いずれにしても一般入試の場合はどの高校でも、英語の受験は必須としているところがほとんどです。
公立・私立の英語入試内容の違い
英語の入試内容は、公立高校の場合は基本的には学校で学習した範囲から出題されます。
しかし、私立高校でレベルの高い学校の場合は、学校の教科書よりも高いレベルの内容が出題される場合もあります。
ただ、私立高校を併願で受験するいわゆる「滑り止め」として受験する場合は、自分の学力よりも易しいレベルの私立高校を受験することになるかと思いますので、それほど心配する必要はありません。
結局は、学校で学んだことをどれだけ習得できているかが最も大切ということです。
公立は内申点も重要
公立高校を受験する場合は入試の点数に加え、内申点も重要視されます。
内申点は国語・数学・英語・理科・社会・音楽・美術・技術家庭・体育の9科目について、学校の通知表の評定(5段階評価)を基に算出されます。
合格の判定基準に内申点をどれくらい重視するのか、中学一年~三年のすべての成績を含めるのか、三年生だけの成績を評価するのか等は都道府県や高校によって異なります。
内申点についての詳しい情報はインターネット上でも公開されていますので、自分が住む都道府県や高校名で調べてみてください。
もし中学一年生からの成績を含むのであれば、中学一年生の時からそのことを意識して普段や授業や学校生活に取り組むのが一番良いのですが、実際には一年生の段階で高校受験について理解している人はあまりいないと思います。
既にあなたが中学三年生の場合は、一年生の頃にさかのぼって今から成績を上げることはできませんが、三年生の成績の方が重視されることがほとんどです。
まだ三年生になったばかりであれば、今からでも遅くありません。
学校の定期テストの成績はもちろんですが、提出物をきちんと出しているか、指示されたことをちゃんとやっているか、部活動や課外活動等に積極的に取り組んでいるか等も評価の対象になりますので、少しでも内申点が高くなるよう努力しましょう。
なお、私立高校の場合も内申書は提出しますが、合否判定に重視されることはほとんどありません。
高校受験の勉強法
それでは高校受験に向けて英語を勉強するときは、どのような方法で勉強すると良いのでしょうか。
高校受験対策用の問題集を解いてみる
受験を控える皆さんは、英語だけではなく他の科目も勉強しなければなりませんので、三年間で学習した英語のすべてを復習しなおしている時間はないと思います。
全て復習しようと考えずに、苦手なところを中心に勉強していきましょう。
苦手な分野(文法や熟語、構文など)を知るためには、中学三年間の総復習ができる問題集や受験対策用の問題集を活用することをお勧めします。
学校や塾でいつも使っているような学年ごとに分けられた問題集は、文法ごとに区切って問題ページが作られていると思います。
例えば現在進行形の学習ページなら、数ページに渡って現在進行形の問題ばかりが掲載されています。
この場合、問1も問2も現在進行形の問題に決まっているので、悩むことなく「be動詞+ing」を書けば正解してしまいます。とても簡単に感じてしまいますね。
実際の受験では問1が現在進行形の問題でも、問2は現在完了形の問題が出る等、色々な文法がバラバラの順番で出てきます。
特に長文問題では一つのストーリーの中で様々な文法が使われています。
受験では、文法がバラバラに出てきても「これはあの文法だ!」とすぐに気づけることが重要になってきます。
その練習のためにも、総復習用の問題集にチャレンジしてみてください。
そして、間違えたり分からなかった問題に登場した文法を復習するときに、今まで使っていた問題集等を参考にしてみてください。
単語も復習
三年間の総復習の問題を解いたときに、「単語の意味さえ分かっていれば解けた」「単語は分かっていたのにスペルを間違えた」ということが何度かあれば、単語力が不足していると言えるでしょう。
自作した単語帳や単語集を活用して、単語の復習をしてください。
■スペルを書けるようにしておく
単語の復習で注意してほしいのは、「スペル(つづり)もちゃんと書けるようにしておく」ことです。
スペルは、分かっているつもりでも実際に書こうとすると意外に書けなかったり間違えて覚えている場合があります。
絶対に書ける自信がある単語ならわざわざ練習する必要はありませんが、少しでも不安に感じる単語は必ず紙に書いて覚えてください。
■動詞は活用形まで完璧にしておく
単語の中でも、動詞は活用形(原形・過去形・過去分詞・三単現のS・ing形)もセットで覚えておく必要があります。
高校受験の問題では、動詞の原形を書かせることはあまりなく、正しい活用形にして書けるかを問うほうが多いのです。
過去形は過去を表す文に使う、過去分詞は受動態で使う、ing形は進行形や名詞の修飾に使う等、それぞれの活用形がどんな文法で使われているのかも意識して覚えておきましょう。
■形容詞は比較級・最上級の形も覚える
「大きい」「高い」「美しい」などの形容詞も、比較級・最上級で使われる時には形が変化します。
「より大きい」は「bigger」、「最も大きい」は「biggest」、「より高い」は「higher」、「最も高い」は「highest」ですね。
「より美しい」は「more beautiful」、「最も美しい」は「most beautiful」と表現します。
動詞の活用形ほどややこしくはありませんが、形容詞についても忘れずに覚えておいてください。
リスニング問題に慣れる
文法や単語の勉強に比べて、リスニングの勉強時間は圧倒的に少なく苦手とする人は多いでしょう。
リスニング力は、日ごろから英語を聞く習慣をつけていないと急に上達することはあまりありません。
これまでリスニングの練習をしてこなかった人はあきらめてしまうかもしれませんが、「リスニング力を上げる」というよりも、「リスニング問題に慣れる」練習をしてみましょう。
市販の問題集を買えばリスニング問題用のCDが付属している場合がありますが、もしなければ中学生向けのリスニング問題が掲載されているインターネットサイトもありますので検索してみてください。
全て聞き取れなくても、どんなパターンの問題が出題されるのかを知っておくだけでも力になります。
間違えた問題は何度も繰り返し聞きなおしてみましょう。
過去問題は模擬試験として使う
受験勉強というと、自分が受験する高校の過去問題にいきなり取り掛かる人もいるかもしれません。
もちろん過去問題を解くことは大切なのですが、受験勉強のための一つの教材というよりは、受験勉強の成果を試すための「模擬試験」だと思ってください。
高校別の過去問題は、大抵は過去5年分ほどの問題しか掲載されていません。
文法や単語の復習など他の勉強をしないまま先に過去問題を解いてしまうと、5回分しかない模擬試験がその分だけ減ってしまいます。
上に挙げたような勉強法を一通り終えたら、本番のつもりで過去問題に取り組んでください。
過去問題を解く際には、時計やタイマーを用意して時間を計るようにしましょう。
問題に正解できるかはもちろん重要ですが、制限時間内にすべての問題を解き終えられるかも大切です。難しい問題があれば飛ばして次の問題を解くなど、うまく時間を使うことを意識してください。
また、すべて書き終えた後は必ず見直しすることを忘れないでください。
一年分の過去問題を解いたら、解答を見て採点します。
点数だけを気にするのではなく、どこを間違えたのか、何が分からなかったのかを必ず確認し、間違えたところは必ず復習しておきます。
正解した問題も解説を読んで、本当に自分が考えていたとおりだったかを確認して自信を付けるようにしましょう。
なお、過去問題のチャレンジ回数は一日一回(一年分)までにしてください。
同じ日に何年分も続けてやると集中力が持たず、本来より点数を取れなくなってしまう可能性があります。
また、本番の試験で重要となるのは「これまで勉強したことをどれだけ覚えているか」です。復習したばかりの内容をすぐテストすれば、高得点を取れるのは当然です。
そうではなく、日が経ってもちゃんと覚えているかを試すための模擬試験だと考えてください。
一回目よりも二回目、二回目よりも三回目の方が高い点数を取るんだということを意識して、復習を都度挟みながら過去問題にチャレンジしましょう。
冬期講習を受けてみる
学習塾に通っている人は、冬休みに冬期講習があると思います。
中学三年生の場合、冬期講習の内容は主に高校受験対策になりますので、塾に通っていない人よりは受験勉強に対して心強いかもしれません。
塾には通っておらず、自分ひとりで受験勉強をすることに不安があれば、冬期講習だけ受講するのも一つの方法です。
冬期講習だけ受講できる塾はたくさんあります。近くの塾を調べてみるか、友達が通っている塾で募集しているかどうか聞いてみるのも良いでしょう。
ただし、塾によっては学力レベルに合わせて冬期講習のクラスが分けられている場合もあります。友達が通っているからといって必ずしも同じ教室・時間帯に受けられるとは限りませんので、詳しい内容は塾に問い合わせてみてください。
勉強以外で大切なこと
受験日が迫ってくると、焦って知識を詰め込もうとしてしまいがちです。
また、体調を崩さないか、会場まで時間通りにたどり着けるか、天気や交通の面でも不安な気持ちが出てくると思います。
受験生は誰でも同じ気持ちになります。
少しでも不安を和らげて、受験に臨みましょう。
体調管理はしっかりと
受験勉強はしんどいものです。
あまり無理をすると体調を崩してしまったり、気分が憂鬱になってしまったり、効率的に勉強を進めることができなくなってしまいます。
勉強する時は集中する、しない時はしっかり休む、遊ぶときは勉強のことを忘れる、というメリハリをつけてください。
体と脳は一体です。脳を働かせるには体力が必要なので、勉強のことをずっと考えているとあまり休んだ気にはなれません。休む時は脳も体もしっかり休め、勉強するときに脳がしっかり働くようにしておきましょう。
特に受験日の直近は寒い季節ですので、決して無理をせず体調を整えることを優先してください。
夜遅い時間まで勉強していると、就寝時間が遅くなって朝は眠さと寒さでなかなか起きられないこともあります。
受験の一週間前くらいからは早寝・早起きを心がけ、特に受験前日は十分な睡眠を取るよう心がけましょう。
不安があれば相談する
高校受験に関して何か不安なことがあれば家族や学校・塾の先生に相談してみてください。
歳の近いお兄さんやお姉さんがいるなら、高校受験がどんなものだったか聞いてみるのも参考になるでしょう。
先生や家族に言いにくい場合は、友達同士で話し合ってみても良いですね。
解決はできなくても、「みんな同じ気持ちなんだ、同じ不安を持っているんだ」とわかることで、いくらか気持ちが楽になるかもしれません。
今までの努力を本番で発揮できるよう、十分に対策をしておきましょう。