リスニングの勉強法 | 中学英語勉強法まとめ完全版

中学英語におけるリスニングの学習方法について解説しています。
これまでリスニング練習にあまり力を入れてこなかった方、勉強方法がわからない方は参考にしてみてください。

中学英語勉強法 リスニングの勉強法_中学英語勉強法まとめ完全版

リスニングとは

リスニングとは
リスニングとは英語にするとlistening、つまり「聞くこと、聞き取り」のことです。

「リスニング問題は得意ですか?」と聞かれると、ほとんどの中学生は「苦手だ」と答えるでしょう。
英語が比較的得意な生徒でも、リスニングとなると急に自信が無くなるという人もいます。

授業では、先生から「教科書のこの文を読んでください、和訳してください」「この単語の意味を答えてください」と言われることがあると思います。
しかし、「今から先生が話す内容を聞き取ってください、書き取ってください」と言われることはあまりないでしょう。

中学英語の授業では、どうしても文法問題や和訳問題を重視してしまい、発音問題やリスニング問題に力を入れて学習する機会があまりありません。

そして、いざリスニング問題に取り組んでみると、急に「ネイティブっぽい人」がいくつもの英文をスラスラと読み上げた音声が流れてきます。
話し始めの単語を聞いて、「今、なんて言ったんだろう?」と思っている間に、読み上げが終わっているのです。

日本で暮らしていると、お店の看板やパンフレットなどの広告物、商品のパッケージなどで英単語や英文を目にする機会はそれなりにたくさんあります。
しかし英文を耳にする機会はそれほどありません。機会がないというよりは、機会があってもしっかり聞き取ろうと意識することがないのかもしれません。
外国人観光客に英語で道を尋ねられるような機会がない限り、周りで流れる英文は単なるBGMのように聞き流しているのです。

英語に耳を慣れさせるには意識してたくさん英語を聞くしかありませんが、急にそのような環境に変えることはなかなかできません。

それではどのようにリスニングの練習をすれば良いのでしょうか。

リスニング力を鍛えるには

リスニング力を鍛えるには
限られた環境の中で、リスニング力を鍛えるためにはどんな方法があるのでしょうか。

先に書いたとおり、やはり「たくさん聞いて慣れること」です。
ただ、なんとなく聞いているだけでは上達に時間がかかるので、ここでは上達のためポイントをいくつか紹介します。

英語を英語として理解する

日本では英語をカタカナに直して表記されることが多く、例えば「apple」は「アップル」と表現されますね。

しかしappleの実際の発音は「æpl」で、「ア」ではなく「アとエの中間の音」で発音します。日本語にはそのような音がないので、「ア」と表現するしかありません。

このことに引っ張られてしまうと、「æpl=apple」だと理解することが難しくなります。
英語をカタカナに直して覚えるのではなく、英語は英語(新しい言葉)として理解することが大切なのです。

例えば野球のルールを既に知っているとします。次にサッカーのルールを新しく覚えようという時に、わざわざ野球のルールを引っ張り出してきて、「野球はこうだけどサッカーはこうなのか」と比較して覚えようとしませんよね。
全く別のものとして、新たに覚えようとするはずです。

実際にはカタカナ読みでも、単語や文によってはそれなりに通じることはあります。
しかしリスニング問題はカタカナで読み上げてくれるわけではありませんので、やはり正しい発音を理解しておくことが必要になります。

英単語の発音を覚える

英単語の学習では主に単語の意味やつづりを重視して覚える人が多いと思いますが、発音も同時に練習して覚えましょう。

そうは言っても、教科書や辞書に載っている発音記号を見ても、どう読んだらいいのか最初はわからないと思います。

スマートフォンやパソコンを持っている人は、翻訳サイトや英単語検索サイトを活用してみてください。
そのようなサイトでは、単語や英文を入力すると音声で読み上げてくれる機能がついている場合があります。

最初のうちは聞き取りづらいかもしれません。できればイヤホンやヘッドホンを使って、意識を集中して聞いてみてください。

これを何度も聞いて、耳を英語に慣れさせます。そして自分でも読み上げて、発音を覚えましょう。

日本語でも言えることですが、自分が使ったことがない言葉を急に言われると、何を言われたのか理解できないことがあります。
使ったことがある言葉なら、小さな声で言われたり少しモゴモゴと話されて聞き取りづらかったとしても、頭の中にある言葉と結びつけて理解することができます。

リスニングの練習は、耳だけではなく自分の口でもしっかり発音することを意識して取り組んでください。

固まりでの発音に慣れる

それぞれの単語の発音は分かっても、前置詞や前後の単語とつなげて発音されると、聞き取りにくくなることがあります。

例えば「Did you ~?」から始まる文は、単語で区切って発音すると「ディドゥ」「ユー」ですが、つなげると「ディジュー」に聞こえます。
同じく「get up」は「ゲット」「アップ」ではなく「ゲラップ」のように聞こえます。

このように、前後にある単語とつなげて発音すると一部の音が聞えてしまったり、別の音に聞こえることがあるので、複数の単語を一つの固まりとして発音を覚えておきましょう。そうすることで、英文の聞き取りが楽になります。

文を聞き取る練習をする

一つ一つの単語の発音を覚えたら、文の聞き取りにチャレンジしてみましょう。
リスニング用の練習問題も、インターネット上で無料で公開しているサイトがあります。
例えば、中学校英語学習サイトenglish.005net.comは学年別でリスニング問題を公開しています。

もし今あなたが中学三年生でも、いきなり中学三年生向けのリスニング問題を解こうとしても難しいかもしれません。最初は中学一年生向けなど、簡単な文から練習してみてください。
文法がそれなりに身についていたとしても、「リスニング力はまだ初心者だ」と思って少しずつレベルを上げていきましょう。

中学一年生レベルのリスニングだと、一つの文に出てくる単語数が少ないため簡単だと感じるかもしれませんが、レベルを上げていくと単語数が増えて聞き取りにくくなってきます。

特に前置詞(toやin等)のような短い単語は聞き取りにくかったり、前後の単語とくっつけて発音されたりするため、聞き逃してしまうと思います。
しかし、前置詞等は言ってしまえば「小さな部品」なので、聞き取れなくてもリスニング問題を解くのにあまり影響はありません。

大事なのはその前後の単語であることが多いので、聞き逃しても焦らずに次の単語を聞き取りましょう。

問題に先に目を通す

これはリスニング力を上げるというよりは、リスニング問題を解きやすくする方法です。

リスニング問題では、実際に音声を聞くまでどんな内容が出題されるのかわからないことがありますが、問題用紙にヒントが載っている場合もあります。

例えば問題用紙に絵が描かれていて、その絵を正しく説明しているのはどの文か、という形式で出題された場合、いきなり英文を聞き取るよりも先に絵を見ておいたほうが断然問題を解きやすくなります。

リスニング問題はテストの冒頭に出題されることが多いので、テストが始まったら真っ先にリスニング問題の内容をチェックしましょう。

勉強から離れてみる

勉強から離れてみる
ここでは中学英語の勉強方法を解説しているため、どうしても「机に向かって勉強するときのポイント」を挙げてしまいますが、リスニング力を上げるためにはいったん机から離れてみるのも一つの方法です。

海外ドラマやアニメなど見る

海外のドラマや映画、アニメなどを英語音声で楽しむのもリスニングの勉強になります。

映像があると、音声だけを聞く時よりも意味を理解しやすくなりますので、気軽にリスニングの練習をすることができます。

ただ、堅苦しい内容の映画だと専門的な用語が出てきて難しいかもしれませんので、できれば日常生活を描いたような内容の作品を選んでください。

子供向けのアニメ作品なども良いかもしれませんが、自分が楽しめないような作品ではどうしても「勉強のために仕方なく」という意識を持ってしまいます。
単純に作品として楽しめるような、自分が興味を持てるものを選びましょう。

なお、洋楽などの音楽を聴くとリスニング力が上がるのではと思うかもしれませんが、音楽はメロディに合わせて言葉を乗せているので、文のリズムが普段の会話の時とは異なっていることがあります。
歌詞を覚えることで英文に慣れるというメリットはあるかもしれませんが、リスニングの練習としてはあまりお勧めできません。

アプリで遊んでみる

スマートフォンを持っていれば、英語学習アプリをダウンロードするのも良いでしょう。

ゲーム感覚でチャレンジできるので、「勉強」という意識が少し和らぎ気楽に取り組むことができます。

また、自分の苦手な単語や文のリスニングを繰り返し練習できるのもアプリのメリットです。全て正解した時には達成感を得られるので、いつの間にか夢中になるかもしれません。

余談かもしれませんが、あなたが中学生の場合はアプリの購入時に必ず保護者の許可をもらってからダウンロードしましょう。

レッスン動画を見る

YouTube等の動画配信サイトでは、英語学習のために作られたレッスン動画がたくさんあります。

たくさんあるのでどれを見れば良いか迷うかもしれませんが、取りあえずは初心者向けの動画を選んでみましょう。

また、英語の聞き取りやすさは話し手の声の高さや大きさによっても変わってきます。
男性の声は低くて聞き取りにくいという人は、女性講師のレッスン動画を中心に探してみるのも良いでしょう。

もちろん複数の講師の動画を見ても問題ありません。
リスニングの上達方法は「絶対にこれ!」というものはないので、自分に合った学習方法を探してください。

ただ、これらのレッスン動画では学校の教科書に沿った内容で教えてくれるわけではありません。
まだ習っていないことが出てくるかもしれませんが、あまり文法や単語を意識せず、耳に入ってくる音を覚えること、声に出して練習することに集中してください。

もし教科書通りの内容でリスニングの練習をしたいのであれば、ネットショップや書店でリスニング用CDが付いた教材が販売されていますので活用してみてください。

リスニングの重要性

リスニングの重要性
中学生の皆さんにとってはまだ先の話と思うかもしれませんが、令和3年度の大学入試共通テストから、英語のリスニングとリーディング(筆記)の配点が大きく変わります。

●変更前
リスニング 50点
リーディング 200点

●変更後(令和3年度から)
リスニング 100点
リーディング 100点

リスニングの配点が2倍になっていますね。
受験英語では今までリーディングを重視していましたが、これからはリスニングにも重点が置かれます。
リーディングをどれだけ頑張っても、リスニング問題に正解できなければ半分しか点数を取れないのです。

大学入試だけではなく、大学卒業後の就職先でも英語力を求められることは今や珍しくありません。
就職活動時に企業に提出する書類には、TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)の点数を書かないといけないことがあります。
この点数が足りていなければ、採用試験や面接に進むことすらできないというケースもあり得るのです。

英語力を全く必要としない企業もあるのであまり悲観的に考える必要はありませんが、自分が働きたいと思っている企業がもしあるなら、例え英語力を必要とされていなくても身に付けておくことで採用されやすくなるはずです。

今後、中学・高校の英語の授業でもリスニングやスピーキングを練習する機会が増えてくると思いますが、リスニングは「耳が若い」うちから練習しておいたほうが効果がグンと上がります。逆に、文法は教材を揃えればいつでも学習できるのです。

リスニングの練習は、中学生である今が最大のチャンスだと思って是非取り組んでください。
もちろんすでに高校生であっても大学生、社会人であっても遅くはありません。英語力を身に付けたい、リスニング力を上げたいと思っている今が一番のタイミングです。

リスニングは、最初は聞き取れなくて当然です。
何回聞いても聞き取れないからとあきらめず、聞き取れなくても良いので毎日習慣的に英語を聞くように心がけてください。
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