基礎を固める | 中学英語勉強法まとめ完全版
中学英語の「基礎」とは何かを解説しています。 今から英語の学習を始める方や、基礎からもう一度学びたい方は参考にしてみてください。
中学英語における「基礎」とは?
英語で大切なのは、基礎をしっかりと固めておくことです。
基礎が固まっていると、あとはそれを応用すれば大抵の英文を作ることができます。
それでは中学英語における「基礎」とはどのようなものでしょうか。
基本の5文型
英語を初めて学習するときにまず覚えてほしいことは、「文型」です。
文型とは、英文を作るときの骨格のことで、例えば「主語の次には動詞がくる」というルールや言葉の並べ方を言います。
中学一年生で初めて英語(英文)を学習する際には、まずこの文型をしっかり頭に入れてから文法や構文などを学習してほしいのですが、実際に授業で「文型」という言葉が出てくるのはもっと後になってから、もしくは高校に入学してからというケースもあります。
英語を学習するときにまず戸惑うのは、日本語とは言葉の並び・順番が違っていることです。
例えば日本語では「私は本を持っています」という文が、英語にすると「私は持っています本を」という順番に変わりますね。
日本語と英語の文型が異なっているため、慣れるまでに少し苦労してしまいます。
英語の文型には第1文型~第5文型の「基本の5文型」と呼ばれる5つのパターンがあり、ほとんどの英文はそのいずれかに当てはまります。
それでは5文型とはどのようなものなのか、見ていきましょう。
【第2文型】 S + V + C (主語+動詞+補語)
【第3文型】 S + V + O (主語+動詞+目的語)
【第4文型】 S + V + O + O (主語+動詞+目的語+目的語)
【第5文型】 S + V + O + C (主語+動詞+目的語+補語)
●S(主語 Subject)
「私が」「あなたは」「これは」のように、「誰が」「何が」に当てはまる単語のことを指します。
●V(動詞 Verb)
「走る」「泳ぐ」「好む」のような動作を表す単語です。
英語では「~という状態である」「~がある・いる」という意味を持つbe動詞も、動詞の一種です。
●C(補語 Complement)
例えば「彼女は美しい」や「あなたは背が高い」という文の場合は「美しい」「背が高い」という形容詞や、「彼は先生です」という文の場合は「先生」という名詞が補語に当てはまります。
つまり、主語(または目的語)となる人や物がどういう状態であるのか、どんな性質を持っているのかを表すような単語を指します。
●O(目的語 Object)
「私を」「彼に」「それを」のように、「誰を(誰に)」「何を(何に)」の部分に当てはまる単語で、動作の対象となる人や物を指します。
SubjectやVerbという単語を覚えておく必要はありませんが、この5文型を覚えておくと穴埋め問題や並べ替え問題、英作等ほとんどの問題を解く際に有利です。
まずはしっかりと、基本の5文型を覚えてください。
ただし、命令文ではS(主語)がなくなったり、疑問文では順番を入れ替えなければならない点に注意が必要です。
それでは、それぞれの文型の例文を見てみましょう。
1. She studies.(彼女は勉強します)
2. I am in my room.(私は自分の部屋にいます)
3. Takashi looked at the picture.(タカシは写真を見ました)
1の文は、「She」がS、「studies」がVです。
もし「She studies English.」なら、Englishは「英語を」というO(目的語)なので、第3文型(SVO)の文になります。
2の文は、「I」がS、「am」がVですね。
「in my room」は「自分の部屋の中に」という意味で、S・V・C・Oのいずれにも当てはまらない「修飾語」です。
修飾語はModifierと言い、頭文字のMで表現されますが、基本文型の要素ではありません。
つまり修飾語は、文を作る上で「なくても構わない(なくても文として成り立つ)」という扱いなのです。
仮に「I am.」で文が終わったとしても、「私はいます」という意味になり、文としては正しく成り立っていることになります。
3の文は「Takashi」がS、「looked」がVです。
「at the picture(写真を)」は目的語のように見えますが、前置詞を使って「~を、~に」という意味を持たせている場合は、目的語ではなく修飾語の扱いになります。
1. You are kind.(あなたは親切です)
2. Yuki became a teacher.(ユキは先生になりました)
3. I will be a doctor.(私は医者になるつもりです)
1の文のkindは「親切な」という意味の形容詞で、Sである「you」の性質を表しています。
「S+be動詞+形容詞」のパターンはほとんどSVCの文であると考えて良いでしょう。
2の文の「a teacher」は、Sの「Yuki」の性質(職業)を表しています。
Vはbecame(~になった)が使われていますが、これをもし「is」というbe動詞に置き換えてもほぼ同じ意味の文になります。このような場合はSVCの文であると言えます。
3の文は「will」という未来・意思を表す助動詞が使われていますが、動詞は「be」であることに注目すれば、1の文とほぼ同じパターンですね。
1. She made a cake.(彼女はケーキを作りました)
2. I took him to the station.(私は彼を駅に連れて行きました)
3. My mother gave a candy to me.(母は私にキャンディーをくれました)
1の文はVが「made(作った)」です。
何を作ったのかと言うと、「a cake」を作ったわけですね。これが目的語です。
この文はSVOの文であることがわかります。
2の文の「took(takeの過去形)」には色々な意味がありますが、この例文の場合は「~を連れて行った」という意味です。
「何を連れて行ったのか→彼を連れて行った」ということなので、「him」が目的語ですね。
「to the station(駅に)」は前置詞toが使って「~に」という意味を持たせており、修飾語に当てはまります。
3の文は「gave(与えた)」がVです。「何を与えたのか→キャンディを与えた」となりますので、「a candy」が目的語となっています。
「to me(私に)」も一見目的語に見えますが、2の例文と同じように前置詞toを使っていますので、修飾語の扱いになります。
1. My mother gave me a candy.(母は私にキャンディーをくれました)
2. I bought her a bike.(私は彼女に自転車を買ってあげました)
3. His father taught us Spanish.(彼のお父さんは私たちにスペイン語を教えてくれました)
1の文は、第3文型の例文3で登場した文と意味が全く同じですが、単語の順番が異なっています。
「give」という動詞は目的語を2つ取ることができ、「give+人+物」で「物を人に与える」という意味を持っています。
もし「give」の後ろに先に「物」を持ってきたい場合は、その後ろに来る「誰に・何に」は前置詞toが必要になります。
つまり、「give+人+物」=「give+物+to+人」ということです。
「give+物+to+人」では「to+人」の部分は修飾語扱いになるため、第3文型SVOの構文となります。
どちらも意味に変わりはありませんが、「人」を強調したいのか「物」を強調したいのかによって使い分けます。(強調したいほうを先に持ってきます)
2の文は「buy+人+物」で「人に物を買ってあげる」という意味です。
こちらもgiveの時と考え方は同じです。
もし「物」を強調したいのであれば、「I bought a bike for her.」となり、第3文型SVOの文となります。
3の文は「teach+人+科目など」で「人に科目などを教える」という意味です。
第3文型SVOの文に書き換えるなら、「His father taught Spanish to us.」ですね。
1. You make me happy.(あなたは私を幸せにしてくれます)
2. Everyone calls me Ken.(みんなは私をケンと呼びます)
3. I painted the wall brown.(私は壁を茶色く塗りました)
1の文はVが「make」です。「make」は「作る」と訳すことが多いですが、「(~という状態)にする」という意味もあります。
「make A B」で「AをBの状態にする」という構文として覚えておくと良いでしょう。
この例文では「me」がmakeの目的語で、「happy」はその前にある「me」の性質や状態を表す補語です。
2と3の文も考え方は同じで、「call A B」で「AをBと呼ぶ」、「paint A B(色)」で「AをBの色に塗る」という意味を持つ構文です。
中学英語で学習するSVOCの文では、これら3つの構文以外も登場しますが、それほど数は多くありません。暗記事項として覚えていきましょう。
文型の学習方法
文型は英語学習の基礎ではありますが、学校の授業やテストで「この文は第何文型か答えなさい」のような質問をされることはほとんどないでしょう。
確かに「SVCが第2で、SVOが第3で・・・」という覚え方をする必要はありません。
5種類のパターンがあることを知っておけばそれで充分です。
文型に慣れるための練習方法としては、「まずは日本語の文を要素ごとに分解してみる」「教科書に出てくる文や問題集に出てくる英文を分解してみる」等があります。
■日本語の文を要素ごとに分解
そもそも主語とは何なのか、動詞とは何なのかが分かっていなければ文型を理解するのに苦労します。
まずは日本語文を見て、主語、述語(動詞)、目的語はどれかを言い当ててみましょう。
日本語における補語は、述語=補語となる場合があります。英語における補語とは捉え方が異なるため、ここではあまり深く考える必要はありません。
例えば「私の父は去年、大きな家を建てた」という文があるとします。
これをSVOに分けます。当てはまらない場合はM(修飾語)と考えてください。
V「建てた」
C
O「大きな家を」
M「去年」
↓ 英単語に変えると・・・
S「私の父は」=my father
V「建てた」=built
C
O「大きな家を」=a big house
M「去年」=last year
第3文型SVOの文ですね。
これをSVO+Mの順番に並べると「My father built a big house last year.」という文が完成します。
もう一つ例文です。
「彼女のお母さんはこの町にある高校の先生です」という文で考えてみます。
V「(高校の先生)です」
C「高校の先生(です)」
O
M「この町にある」
↓ 英単語に変えると・・・
S「彼女のお母さんは」=her mother
V「(高校の先生)です」=is
C「高校の先生(です)」=a high school teacher
O
M「この町にある」=in this town
Vがどれなのか戸惑うかもしれませんが、日本語の文は必ずしも動詞があるとは限りません。その場合は「述語がどれなのか」を考えてVに当てはめてください。
あえて動詞を言い当てるとすれば「~です」の部分が該当します。「~です、~だ」は日本語では助動詞扱いですが、英語ではbe動詞に置き換えることができるので動詞として扱っておきます。
そして、「~です」を除いた「高校の先生」という部分が補語(C)に当てはまります。
これはSVCの第2文型の文で、並べると「Her mother is a high school teacher in my town.」という文が完成します。
このように、まずは日本語の文を分解するところから始めてください。
日本語文はあまり長すぎたり複雑すぎると混乱しますので、小学校時代の国語の教科書や絵本などに掲載されている簡単な文を使って練習してみましょう。
文型が固まったら文法を
基本の5文型をしっかり固めたら、次は文法です。
5文型を理解しないまま文法を詰め込んでしまうと、英文で一番大切な「語順」が混乱してしまいます。
どんな文法もこの5文型をベースにして学習していくことになります。
5文型という基礎が固まらないまま文法を積み上げても、新しい文法が増えれば増えるほど崩れていく可能性が高まります。
もし文法の学習でつまづいたら、そもそも文型をしっかり理解できているのかを振り返ってみてください。
基本を振り返ることが、新しい知識を習得する手助けになります。
いつでも思い出せるように、ノートや教科書等にメモを貼っておくのも良いでしょう。