苦手を克服するには | 中学英語勉強法まとめ完全版

中学英語に対する苦手意識をなくすために必要なこと、苦手の克服方法について説明しています。
英語の勉強をあきらめてしまう前に、是非一読ください。

苦手を克服するには_中学英語勉強法まとめ完全版

英語が「苦手」とは?

英語が「苦手」とは?
学校で習うどの科目でも、授業内容があまり理解できずテストでも良い点数を取れないと、「自分はこの科目が苦手だ」と思ってしまいます。

しかし、他の科目と比べて英語の「苦手」は少し性質が違います。
どのように違うのでしょうか。

「苦手」なのではなく「慣れていない」だけ

確かに数学や理科など、小学校の頃に比べて中学で学習する内容は難しくなっています。
国語も、さらに難しい漢字や文法を覚えなければならず、古文・漢文などの学習も新たに入ってくるので、今までは得意だった人でも難しいと感じるようになるかもしれません。

しかし、英語に関しては少し他の科目とは異なります。

日本語に置き換えて考えてみると、日本で生まれて日本で暮らしている人の中に、「日本語が苦手」と思っている人はほとんどいないでしょう。
もちろん今ではあまり使われなくなった古い日本語や難しい言い回し等がわからないことはありますが、家族や友人との日常会話の中で「日本語が分からなくて困る」ということはありません。

それは生まれた時から日本語を耳にし、それを真似して話し、常に学習できる環境に置かれていたからです。
つまり、「日本語に慣れている」のです。

英語も同じで、一つの言語です。
もし小さなころから周りが英語だけを話している環境であれば、あなたは今頃英語を不自由なく使いこなせているはずです。

「英語が苦手」なのは、決してあなたの能力が低かったり元々不向きだというわけではなく、「英語を使い慣れていない」「英語に接する機会があまりない」ことが大きな理由です。

例えば友達の家にあるDVDレコーダーの操作方法が分からず戸惑ってしまう場面を想像してみましょう。
自分の家にもDVDレコーダーがあったとしても、メーカーや機種が違っていると操作方法も違っている場合があります。

友達から「機械に弱いの?」なんて言われてしまいますが、それは機械に弱いのではなく自分のDVDレコーダーとは違うので慣れていないだけですよね。
友達がそれを操作できるのは、普段から使い慣れているからです。
誰でも一通り説明書を読んだり、一度教えてもらえば次からは少しスムーズに操作できるはずです。

何事も、苦手を克服するには「慣れ」が必要です。
特に英語は言語ですので、単語は無数にあり、新しい言葉が生まれたりもします。
ここはDVDレコーダーの操作とは違うところで、一回や一日でマスターできるということはあり得ません。
日々積み重ねていくことが、少しずつ英語力を培っていくのです。

苦手を克服する必要性

2020年度からは小学校三年生で英語学習が導入され、五年生からは一つの科目として英語の授業が始まります。
小学校の英語授業では文法や構文等の細かい勉強ではなく、日常会話レベルや絵や映像を見て正解を言い当てるといったような学習内容になるようです。

小学校から英語の授業を導入するということは、英語に触れる機会をそれだけ増やせるということです。
逆に考えると、これまでは英語に触れる機会が少なすぎたとも言えます。

今すでに中学生である皆さんにとっては、少し損をした気分になるかもしれませんが、中学から英語を学び始めても決して遅くはありません。

高校に入学すると、中学で習った英語をベースにして更に深く勉強していくことになります。
高校によって異なる場合がありますが、基本的には高校二年生で文系・理系に分かれ、一年生の段階でどちらを選ぶかを決めなければなりません。

理系に進むと英語は必要なくなると思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
理系であっても英語の授業が組まれている学校もありますし、大学入試で理系の学部に進学したい場合でも、英語の試験を受けないといけない場合があります。

社会に出てからも同じで、英語力を必要としている企業が増えています。
英語力が足りない場合、企業によっては業務後に英語のレッスン時間を設けたり、指定の英会話スクールへ通わせたりすることもあります。

もちろん英語を全く必要としない大学や企業もあるでしょうが、英語を避け続けては自分の将来の選択肢がかなり狭まってしまいます。

英語に対する苦手を克服しておくことが、将来の希望進路や夢にグッと近づくことにつながります。
それだけ今後は英語が重要視されるようになるということです。
まだ英語レベル1~3である今こそが、苦手を克服するチャンスです。

苦手を克服するには

苦手を克服するには
それでは、どうやって苦手を克服すればよいのでしょうか。

まず「英語は難しくない」と知る

中学の英語の教科書に載っている文を訳してみると、とても簡単な文であることが分かりますよね。
例えば「その人が道を歩いているのを見たよ(I saw that person walking down the road.)」や「北海道に行ったことがあるよ(I have been to Hokkaido.)」のように、日本語であれば幼稚園、小学校低学年の子供でも話すような内容です。

もしこれが研究論文のような専門的な内容だとすれば、それは英語を母国語とする人たちにとっても難しいかもしれませんが、中学で習う英語は決して難しくありません。

英語に触れる機会を増やす

英語が苦手だと思ってしまう原因は、見慣れない文字がたくさん並んでいて、意味が分からなくて不安になり、見るのも嫌になってしまうからです。

「見慣れていないから嫌になる」ということは「たくさん見れば慣れるので嫌にならない」ということです。

ただ、やみくもに英文ばかりの本を眺めたり英字新聞を読んでも、結局意味が分からないので何も変わりません。何よりも楽しくありませんね。

日本語訳が付いている本や、絵が理解を補ってくれるような漫画などで試してみると良いでしょう。こちらのほうが、ストーリーを楽しめるので絶対に楽しいはずです。

特別にそのような材料を用意しなくても、例えば街中を歩いてみるとそこら中に英語が溢れていることに気付くと思います。
外に出なくてもテレビを見たり、スマホやパソコンの画面の中には英語がたくさん出てきます。
「英語が苦手だ」と思っている人にとっては、思いがけないところで英語を見ると拒否反応が出るかもしれません。
しかし、今後はもっともっと英語が溢れる世の中になっていくことは間違いないので、苦手がもっともっと増えていくことになってしまいます。
逆に考えると、今はまだ少ないと言えます。今のうちに、身近なところから英語に歩み寄ってみましょう。

「海外の観光客に道を聞かれたらどう答えればいいんだろう」「この服の洗濯タグが英語で書かれているけど、どう洗ったらいいんだろう」「最近流行っているこの曲のタイトルはどういう意味なんだろう」というふうに、なんでも構いません。

疑問を持ったらすぐに調べてみましょう。
スマホを持っていればすぐに検索することができますが、持っていなければメモしておいて、自宅のパソコンや辞書を使って調べてみてください。

一度調べたからといって、必死に「覚えよう」と思わなくても大丈夫です。
「覚えなくちゃ」「やらなくちゃ」というプレッシャーが、余計に苦手意識を生み出してしまうかもしれません。
忘れたらまた調べればいいのです。気軽に試してみてください。

英語で遊んでみる

もしかすると既にやってみたことがあるかもしれませんが、友達同士で「英語しかしゃべってはいけないゲーム」のような遊びをしてみるのも英語に触れる一つの方法です。

友達同士なので「その英語は間違っているよ」と指摘されることはないかもしれませんが、単なる遊びなので間違っていても構いません。
綺麗な文で話す必要もありません。単語だけを叫ぶのもOKです。
とにかく英語を使って楽しむことを大切にしてください。

もしゲームを終えた後に「あれってなんて言えば良かったんだろう?」と疑問があったら調べてみてください。

他にも、英単語でしりとりをしてみたり、一人の時であればスマホアプリ等でアルファベットを並べ替えて単語を作るゲームもあります。
時間があるときに、暇つぶしでも良いのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

文法を学ぶ意味を知る

私たちは日本語を覚えるときに、2~3歳くらいになってから「さあ日本語の文法をしっかり学習しましょう」と大人たちに言われて勉強してきたわけではありません。
耳から聞こえてきた日本語を真似して、「こういう時はそう表現するんだ」と思って(むしろそう思うことすらなく無意識に)覚えてきたはずです。

英語も、まずは難しく考えず「そういうものだ」と丸覚えしてしまって、後から「実はこういう文法で・・・」と学習するほうが良いのかもしれません。

英会話スクールのように「英語でコミュニケーションをとる」ことを目的にして授業を行っているところであれば、恐らくこのような文法学習中心というスタイルは取らないでしょう。

しかし、日本の学校における英語の授業ではどうしても文法を覚えなくてはなりません。
誰かがそうするように決めたのでしょうか。

もちろん、英語の指導方法として全国的に決まっているのでしょうが、それだけが理由ではありません。文法を学習することには当然メリットがあります。

■文法を学ぶことで応用の幅が広がる

文法とは、文を作るときの決まりごと、つまりルールです。
ルールを覚えてしまえば、それに違反しない範囲で単語を置き換えることによって、色々な文を作ることができます。

また、文法と文法を組み合わせることでさらに表現の幅を広げることもでき、複雑な文も理解しやすくなります。

■書き言葉(ライティング)に強くなる

普段の会話として問題なく使えている文でも、書き言葉として使う時には文法がしっかりしていないと読みにくかったり雑な印象を与えてしまうこともあります。
例えば日本語の会話で「雨、降ったよ。昨日。」と言っても問題なく通じますが、作文では「昨日雨が降りました。」と正しい語順に並べ替えて書きますよね。

ただ、あまり文法にこだわった文ばかりを覚えてしまうと逆に話し言葉を理解しにくかったり堅苦しい文になってしまうこともありますが、それは実際のコミュニケーションの中で覚えていけば良いことです。

■テストで文法問題を出題すれば採点しやすい

テストで文法問題を出せば、採点者はマルかバツかの二択になるのでとても採点しやすくなります。

これは決して先生や採点者だけが楽になるというのではなく、受験者にとってもメリットがあります。
文法のルールにしっかり従っていれば間違いなく点数をもらえるので、海外に住んだり留学したりという経験がなくても、学校で学んだことをしっかり身に付ければ高得点を取ることができます。

もし英会話でテストをするとしたら、どこにポイントを置いて採点したら良いでしょうか。
意味が通じればいいのか、文法が正しくないといけないのか、発音が良ければ点数がさらに上がるのか、判断基準が難しくなります。
また、生徒ひとりひとりと会話をしないといけないので時間もかなりかかります。

苦手から得意に変える

全ての科目の中で、一番「得意」にしやすい、ハードルが低いのは英語です。

その理由は、他の科目に比べて英語は非常に簡単だからです。

国語は小学校一年生から習っているので、中学三年生の段階では9年目ということになります。
数学も、小学校では算数として計算を中心に学習してきましたが、中学数学も算数を使いながらさらにレベルアップさせた内容になっています。
理科は化学や物理の分野も入ってきて公式を使って計算するような問題もあり、やや専門的な内容になります。
社会は、小学校時代は自分が暮らしている地域のことや農業・工業等について学習しますが、中学では世界の地理や日本の歴史など自分の知らない世界のことを細かく勉強します。

それらの科目と比べると、英語はほぼゼロからのスタートです。
中学一年生時点では他の科目がレベル7なのに対し、英語はレベル1なのです。
小学校一年生の国語や算数と同じということですね。

それは少し言いすぎだと思うかもしれませんが、そう考えると気が楽になりませんか?
もちろん単語を覚えたりつづりを暗記したり、努力は必要です。
でもそれは小学生で漢字を覚えるのと何も変わりはありません。やればやるほど身に付きます。

「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、英語を好きになれば上達は早くなります。
しかし、好きになるには何かきっかけが必要です。
音楽や映画等、興味を持てそうなものを通して英語に触れてみましょう。
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