大地形と小地形 | 0から始める高校地理まとめ

地形は非常に複雑で覚えなければいけない内容が非常にたくさんあるため、苦手意識を持つ人が多い分野です。しかし、地形がどのように形成されたかを細かく問う問題はほとんど出題されませんので、大まかに内容を理解することから始めていきましょう。


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はじめに

今、私たちが生活している地球は約46億年前に誕生したと言われています。このとてつもなく長い年月の間に、世界各地の様々な地形は作られました。
高校地理においては、地球スケールの大規模な地形(大地形)とある地域に分布している比較的小規模な地形(小地形)に分けて、学習を進めていきますが、基本的には、どのように形成されたか、そしてどこに分布しているかを理解することが重要になります。そして、この単元で学習した内容は、様々な単元で活かされることになりますので、地形の学習内容を疎かにしてはいけません。
それでは、早速、出題されやすい分野を中心に学習を始めましょう。

大地形

大地形とは地球スケールの大規模な地形を指します。身近な事例としては、山脈が挙げられます。そして、さらには我々が今立っている地面も、地球が長い年月をかけて作り上げてきたものです。
大地形は内的営力によって作られます。これは、地球内部からの巨大な力が働くことで、山地が形成(造山運動)されたり、火山活動が行われたり、地震が発生したりするわけです。これだけ大規模な活動ですから、必然的に大規模な地形が形成されます。
それでは、大地形で重要なポイントをジャンルごとに見ていきましょう。

プレートテクトニクス

地球の表面は、十数枚のプレートに覆われて形成されています。はるか昔、全ての大陸はパンゲアという一つの大陸でした。しかし、長い年月をかけて、マントルの対流に乗りながら、現在のように分裂したと言われています。この考え方をプレートテクトニクスと言います。
ちなみに、アフリカ大陸西部と南アメリカ大陸東部はパズルのようにピタッとはまりそうな形をしていることに気づきましたか?
これは、もともとは一つの大陸であった名残で、長い年月をかけ、2つの大陸に分裂したことが地図上からでも読み取れます。

プレートの境界

地球の表面は十数枚のプレートで覆われているとお伝えしましたが、高校地理では、プレートとプレートの境界について、その種類と特徴、分布位置が出題されやすいことを頭に入れておきましょう。

〇境界の種類と特徴について〇
図1

上記は頻出になりますので、メカニズムも踏まえて理解をしておくとベターです。理解のイメージとしては、広がる境界はプレートとプレートの境界が広がっていき、そこからマグマが噴出します。海中であれば、そのマグマが急激に冷やされ、それが長い年月をかけて、海底に山脈(海嶺)が形成されます。せばまる境界はプレートとプレートがぶつかり合って、そのひずみで海中に溝(海溝)を作ります。ずれる境界は文字通り、異なるプレートが水平方向にずれることで形成されます。代表的な分布場所にロサンゼルス近郊のサンアンドレアス断層が挙げられますので、こちらは必ず覚えておきましょう。

造山帯

造山帯とは、山を作ろうとする力(造山運動)の影響を受けた場所のことを指すイメージです。この造山帯では、どの時期に形成されたかによって、特徴が大きく異なってきますので、理解を深めていきましょう。

〇造山帯の種類〇
図2

安定陸塊は、大昔に造山活動が落ち着き、過去作られた地形も侵食が進行した状態であるため、非常になだらかであることが特徴的です。地震もほとんど発生しません。
古期造山帯は、古生代に造山運動をしていた地域で、安定陸塊ほどではありませんが、侵食が進行しており、丘陵性の地形が広がっています。古期造山帯に属する山脈はおおよそ2,000m前後の標高ですが、古期造山帯であるにもかかわらず、別作用を受け、非常に標高が高くなった天山山脈等はテストで狙われやすいので注意しましょう。
新期造山帯は、新生代以降で現在も活発に活動をしている地域を指します。環太平洋造山帯やアルプス・ヒマラヤ造山帯は地震や火山活動も非常に多い地域になり、こちらには、我々が住んでいる日本も含まれます。
以上のように、表に記載された大まかな違いを把握しておくだけでも非常に重要になります。

侵食平野

長い年月をかけ侵食されて形成された平野を侵食平野と言います。侵食平野は、主に山地が侵食されて平坦になった準平原と、地層が内的営力を受けずに広がっている構造平野に分けられます。これらの小地形は、明確な違いを問われることがあまり多くないため、名前だけでも理解しておくと良いでしょう。
ただし、構造平野の中でも、パリ盆地やロンドン盆地の硬い地層と柔らかい地層が交互に堆積して形成されたケスタは頻出です。特にパリ盆地では、ワインや農作物の生産に大きく役立てられている点は必ず理解しましょう。

小地形

小地形とは外的営力を受け、形成された比較的スケールの小さい地形を指します。先ほども一部小地形の事例を出しましたが、小地形ではその地形がどのような用途に使われているかを理解することが非常に重要になります。その理解を促進させる上では、地形の形成要因を知ることが手っ取り早いでしょう。さらには、地形図の読み取り問題では、この小地形の知識がなければ、解けない問題も多く存在します。ですので、日本国内に関連する小地形はより重要になります。

堆積平野

文字通り、土砂や石等、様々なものが堆積した平野です。中でも河川の堆積作用を受けて形成された平野を沖積平野と言います。この沖積平野は単語を理解する以上に、我々の生活にどのような影響をもたらしているかを理解することが大切で、地形図で取り上げられる問題の多くは、この沖積平野から出題されると言っても過言ではありません。
まずは上流から扇状地、中流には氾濫原、下流の河口付近に三角州が形成されることを理解しておきましょう。

  • 扇状地

扇状地は河川上流域の山地と平野の境界に形成されます。扇状地では、谷口に近い扇頂と、扇の末端部分である扇端は水が確保しやすいことから、集落が発達します。一方で、水無川となり水に乏しい扇央では、水が得にくいため、森林や畑、桑畑、果樹園などが広がっています。

〇扇状地の事例〇・・・地形図の読み取り問題でも出題されやすいです。
図3
※国土地理院「地形図」より

  • 氾濫原

氾濫原は河川中流域に発達します。中流域は地形が緩やかであるため、河川が蛇行しながら、氾濫を繰り返した結果、河川の両端に少し高い堤防が形成されます(自然堤防)。自然堤防は周りよりも少し高くなっているため、住宅街や畑に利用されることが多いです。続いて、自然堤防の後ろ側には水はけの悪い土地が形成されます(後背湿地)。後背湿地は、水はけが悪いため、日本では水田に利用されることが多い点も押さえておきましょう。
また、河川が蛇行を繰り返し、流路が変わったときには、元の流路がそこに取り残されることになりますが、元々蛇行していた流路が三日月形に見えるため、元の流路は三日月湖とも呼ばれます。

  • 三角州

三角州は河口付近に発達します。地形は比較的平坦であるため、大きな都市が形成されやすいことが特徴になります。三角州はその形から、ナイル川の円弧状三角州、ミシシッピ川の鳥趾状三角州、テヴェレ川のカスプ状三角州の3つに分けられるため、それぞれの場所を特定しておきましょう。

洪積台地

三角州や扇状地等、過去に形成された地形が長い年月をかけて隆起(もしくは海水面が下降)して形成された台地のことを洪積台地と言います。東京が位置している武蔵野台地はその代表例に当たります。洪積台地の中で特に重要なものは、河川流域の平地が隆起して形成された河岸段丘と、海底面が海水の離退等によって地表に現れた海岸段丘になります。これらはそれぞれどのような場所に分布しているかを理解しておきましょう。

海岸地形

海岸地形は、海水面に沈んで形成された沈水海岸と、海水面が後退してその海底面が地上に露出した離水海岸に分けられます。こちらもそれぞれの特徴と分布している場所を確認しておきましょう。

  • 沈水海岸

(1)リアス(式)海岸
険しい山谷(V字谷)が海面に沈んだ結果、複雑な海岸線を擁するギザギザした海岸が形成され、これをリアス(式)海岸と言います。非常にギザギザしているため、沿岸に大規模な港が発達しにくく、入り組んだ湾が原因で津波の被害が拡大しやすことが特徴です。しかし、普段は波が穏やかであるため、養殖に適していると言えます。宮城県や岩手県沿岸の三陸海岸はリアス(式)海岸の代表例となります。

(2)三角江(エスチュアリー)
大河川の河口部分が沈水して形成された三角形の入り江です。良港が発達しやすいことと、大河川の分布するエリアに形成されやすいことが特徴です。

(3)フィヨルド
後述のU字谷が海水面に沈んで形成された入り江のことをフィヨルドと言います。U字谷は氷河が山地を削って作られたものになりますので、フィヨルドは元々氷河が発達していた地域にしか分布しないことが容易に理解出来ます。こちらは、分布している場所や谷の形(VそれともU字谷)が良く問われますので、形成要因から理解しておけば、区別も難しくはありません。

  • 離水海岸

離水海岸は沈水海岸とは逆に、海面下にあった地形が隆起したり、海水面が後退したりする等して、地上に現れて形成された海岸になります。海底面は単調であるため、離水海岸もその特徴を持ち合わせます。先ほど挙げた海岸段丘もこの離水海岸の一例になります。その他、海岸地形には、沿岸流で砂が鳥のくちばし状に形成された砂嘴(さし)や、湾をふさぎ込むように伸びた砂州、陸地と島をつなぐ砂州(陸繋砂州・トンボロ)、さらには陸繁島などがありますので、それぞれの分布場所を確認しておきましょう。

氷河地形

氷河地形は下記を最低限押さえておくことと、フィヨルドの分布箇所や特徴、形成要因を理解することが非常に重要です。

  • カール

→別名:圏谷、お椀でえぐり取ったような谷

  • ホルン

→尖った山稜のことで、カールの頂上部を指す。例)マッターホルン

  • U字谷

→氷河が山地を削った結果、U字型になった谷

  • モレーン

→氷河が運搬してきた堆積物で形成された丘

  • フィヨルド

→U字谷に海水が侵入して形成された入り江

カルスト地形

石灰岩が溶けて形成された地形のことを指し、もともとはスロベニアのカルスト地方にこの地形が広がっていることから名づけられています。石灰岩が溶け、小さなくぼみになっているものをドリーネ、小さなくぼみが複数形成されて規模が大きくなったものをウバーレ、さらにそれが数十kmクラスにまでに成長したものをポリエと言います。日本では山口県の秋吉台や福岡県の平尾台が有名です。

砂漠地形

砂漠地形が出題される問題はあまり多いわけではありません。しかし、例えば、オアシスや降水があった際にしか流れないワジ(涸れ川)に焦点を当てたり、外来河川に関する問題が出題されたりすることもあります。この分野に関しては、単語や要点、具体的な事例(例えば外来河川として挙げられる河川)を押さえておくだけで十分です。
なお、もう一段階上のレベルを目指したい方は、砂漠が形成される4大要因を具体的な事例と形成要因まで押さえられると、国公立大学・難関私立大学の記述対策はバッチリです。

サンゴ礁

サンゴ礁は大きく3つの形態に分かれ、その分布場所も異なるため、それぞれの特徴とともに概要を理解しておきましょう。ちなみに、過去のセンター試験では、サンゴ礁の分布に関する問題が出題されたこともあります。なお、サンゴ礁が形成されるには三大条件があり、海水温が18℃以上30度未満で、水深は30~40mくらい、そして綺麗に澄んだ海であることになりますので、赤道付近でしか発達しないことは想像に難くありませんね。

  • 裾礁

→陸地にくっつく形で発達。沖縄で見られるサンゴ礁はこちらになります。

  • 堡礁

→陸地から離れて発達。オーストラリアのグレートバリアリーフが代表例。

  • 環礁

→中心に陸地がなく環状に発達したサンゴ礁。ビキニ環礁が有名です。

まとめ

紹介した地形の数々は非常に複雑で事細かに理解することは大変ですので、まずは単語とその特徴を理解することから始めると良いでしょう。冒頭で説明した通り、地形は他の単元を学習する際に、とても大切になってきます。系統地理でも地誌でも他の事象と関連して問題が出題されることも多いため、丁寧に学習することが望まれます。

地形は複雑なため、最初からすべてを理解しようとせずに、少しずつ、何周もかけて理解を深めていくことをおススメします。
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