形容詞活用表の覚え方 | 古文完全攻略勉強法

古文の形容詞活用表の覚え方です。
ク活用、シク活用の覚え方のコツを丁寧にわかりやすく解説します。
高校の授業対策や、大学入試、共通テスト対策に是非ご活用ください。

目次

形容詞活用表プリント

古文形容詞活用表
形容詞の活用表のプリントです。
印刷するなどしてご活用ください。(クリックで拡大サイズの画像を見ることができます。)

形容詞の活用と、覚え方のコツ

古文 形容詞の活用と覚え方のコツ
古文の勉強法として、今回は「形容詞」を取り上げてみましょう。動詞と比べてだいぶ活用表が少ないため覚えやすく、おすすめの品詞です。

古文の形容詞「ク活用」の覚え方

現代文で出てくる形容詞は、たとえば「青い」とか「早い」というように「い」で終わる、と教わった人が多いと思います。

一方、古文の形容詞は「青し」「早し」と、言い切りの形が「し」になるところが特徴です。どちらも、おもに物事の様子や性質を表す品詞です。

さて、古文の形容詞では、注意すべき点が一つだけあります。

活用表を見ると「青し」の活用が二行あることに気づくでしょう。

基本的には右側の「(無し)・青く(なる)・青し・青き(物)・青けれ(ども)・(無し)」でよいのですが、この右側には未然形と命令形が存在しません。

未然形というのは打消しの形を作るときに必要ですから、ないと困ってしまいます。
そこで使われるのが、左側の「青から(ず)・青かり(けり)・青かり・青かる(べき)・青かれ(ども)・青かれ」という活用です。

この活用はもともと、右側の形容詞連用形「青く」にラ行変格活用の動詞「あり」をつなげて作った「青くあり」が縮まった形です。

カラ・カリ・カリ・カル・カレ・カレ、よく見るとラ変の活用語尾「ら・り・り・る・れ・れ」が隠れていますね。

つまり、ラ変動詞の活用を覚えていれば、新たに暗記するべき部分は右の一行だけです。

「○・く・し・き・けれ・○」、これさえ覚えれば形容詞はほぼマスターできたといって良いでしょう。

というのも、次に出てくる「シク活用」は、ク活用の上に「シ」をプラスするだけなのです。

古文の形容詞「シク活用」の覚え方

古文には2種類の形容詞があります。上述の「ク活用」と、これから説明する「シク活用」です。

見分け方としては、ラ行四段活用の動詞「なる」をつけるのが最も簡単です。

「青くなる」のように、形容詞の活用語尾が「ク」のみならク活用、「美しくなる」のように「シク」が出てくるものはシク活用と区別します。

しかし、シク活用はク活用とそう変わらないのです。

活用表をながめれば一目瞭然ですが、右側も左側も、二行ともク活用の活用表に「シ」を一文字つけただけです。

ですから、形容詞はまずク活用の右側一行を暗記してください。

ク活用の左側は、連用形の活用語尾とラ変動詞が組み合わさった形ですからほぼラ変です。

さらに、シク活用はその上にシを付け加えるだけですから、形容詞のコツはク活用の右側といえます。

いかがでしょう。

動詞の活用表と違い、形容詞の活用とその覚え方は非常にシンプルです。

もちろんラ変動詞の活用パターンを覚えていることが前提になりますから、動詞もきちんと暗記し、かつそれを忘れずに覚えていてくださいね。

ミニドリル(形容詞の活用を確認)

  1. 「青し」(ク活用)— 連用形/連体形 は?
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    連用形:青く/連体形:青き(ク活用・右側)

  2. 「美し」(シク活用)— 未然形/已然形 は?
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    未然形:美しから/已然形:美しかれ(シク活用・左側=カリ活用)

  3. 「悲し」(シク活用)— 終止形/命令形 は?
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    終止形:悲し/命令形:——(なし)

  4. 「高し」(ク活用)— 已然形を答え、その由来も説明せよ。
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    已然形:高けれ。連用形「高く」+ ラ変「あり」由来のカリ活用が縮約してできた系列に対応。

  5. 判定:「〜くなる」で判別する方法で、次を分類せよ。A. 清くなる/B. 久しくなる
    解答を見る

    Aはク活用(清くなる)、Bはシク活用(久しくなる)。

暗記のコツ・学習計画

  • まずはク活用の右側(○・く・し・き・けれ・○)を暗記する
  • 次にカリ活用(未然・連用・已然・命令で補う)を声に出して確認する
  • シク活用は「ク活用にを付けるだけ」と覚える
  • 「〜くなる/〜しくなる」で実例チェック → 自作カードに例語を追加
  • 週1回、ク活用・シク活用の活用表を空書き(書かずに指でなぞる)+音読で定着

よくある質問(FAQ)

Q. ク活用とシク活用の一番簡単な見分け方は?
A. 「〜くなる/〜しくなる」で判定します。例:清くなる→ク活用、美しくなる→シク活用です。
Q. 形容詞の未然形や命令形がないときはどう扱いますか?
A. カリ活用(連用形+ラ変「あり」の縮約)を用います。ク活用は「〜から/〜かり/〜かる/〜かれ」を、シク活用は「〜しから/〜しかり/〜しかる/〜しかれ」を使います。
Q. まず最初に覚えるべき活用は?
A. ク活用の右側(○・く・し・き・けれ・○)です。これが形容詞学習の土台になります。
Q. ラ変動詞の暗記は形容詞に必要ですか?
A. はい。カリ活用はラ変「あり」が由来なので、ラ変の活用(ら・り・り・る・れ・れ)を押さえておくと理解がスムーズです。