古文読解のコツ | 古文完全攻略勉強法

古文の読解のコツです。
どのように古文を読めばいいのか?古文読解の2つのポイント「品詞分解」、「係り結び」について丁寧にわかりやすく解説します。
高校の授業対策や、大学入試、共通テスト対策に是非ご活用ください。

目次

古文を読解するために

古文読解のコツ

動詞や形容詞、助動詞などの活用表が頭に入ったら、いよいよ文章読解に挑んでみましょう。
ここでは、古文を読解するのに大切なポイントを2つご紹介します。
1つは品詞分解、もう1つは係り結びです。

品詞分解こそが近道

どんなに長い文章を読むときでも、おすすめしたいのは「品詞分解」です。
品詞分解というのは、授業で聞いた覚えのある人もいるかもしれませんが、文を構成する品詞を「これは動詞の連用形、これは助動詞の連体形、これは名詞」などと識別していくことです。
品詞の識別ができれば、たとえ知らない動詞でも終止形を推測し、辞書を引くことができます。
その結果、文章の内容を正しく把握できるようになるのです。

品詞分解では、動詞や形容詞、助動詞の活用パターンはもちろん、助動詞が上に要求する形「接続」もしっかり覚えていることが大切になります。
助動詞は種類も多く、なかなか完全に暗記するのは難しいかもしれませんが、ある程度を覚えたら後は慣れによる部分も大きいので、思い切って実戦に挑むというのも一つの手ですよ。

係り結び

さて、品詞分解では文中の活用形から基本の形(辞書に載っている形、終止形)を見抜き、意味をとらえていくことになりますが、ここで例外的な文法ルールをご紹介しましょう。
それが、係り結びです。

係助詞という特別な助詞があります。
じつは、係助詞が出てきたらその文末が「文末なのに終止形にならない」というルールがあるのです。
句読点があっても必ずしも終止形でない、特徴的なスタイルの文になりますから、係り結びはもともと内容を強調するための技法なのですが、勉強する側としては厄介ですね。
とはいえ、係り結びは大きく分けて2種類です。「ぞ・なむ・や・か」が出てきた場合、結びは連体形に、「こそ」が出てきたら結びは已然形になる、と決まっています。

音楽の授業でもおなじみ「われは海の子」の歌詞にも、係り結びは用いられています。
後半の「煙たなびく苫屋こそ我がなつかしき住処なれ」の、「苫屋こそ」の「こそ」が係助詞、そして「住処なれ」の「なれ」は断定の助動詞「なり」が已然形に活用した形です。
あの粗末な小屋こそが私のなつかしい住処だ、という内容で、苫屋こそ、を強調しているわけです。

活用パターンと接続に加え、頭の片隅にこの「係り結び」も置いておくと、つまずくポイントがだいぶ減るでしょう。
覚えることが多すぎる、といやになる人もいるかもしれません。ただ、完全に覚えるまでは机に活用表を置いておくのも手です。
どうだったかな、と不安になるようなときは活用表をすぐに見て確認し、こまめに頭の中の知識を更新していきましょう。
いつしか「見なくても頭の中に活用表がある」状態になっていきますから、気長に取り組むことをおすすめします。

いかがでしょう。
古文では、暗記だけでなく、記憶した知識を必要に応じてうまく取り出し、読解に生かすことが大切です。
どちらが欠けても古文は読解できませんから、あせらず、めげずに取り組んでいきましょう。
しかし、読めるようになると古文の世界は楽しいものです。
ドラマチックで胸にせまる物語も、吹き出してしまうような滑稽な小話もあります。
覚えることが多いから、という理由で敬遠されがちな古文を、楽しむ人が増えることを祈っています。

ミニドリル(読解で確認してみましょう)

  1. 次の中から係助詞をすべて選びなさい:「ぞ・や・か・は・に」
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    係助詞:ぞ・や・か(※「は」「に」は係助詞ではありません)

  2. 「こそ」がある文の結びは何形になりますか。
    解答を見る

    已然形(例:「…こそ〜なれ」)

  3. 「君がため惜しからざりし命さへ」の「し」は何の何形?
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    過去の助動詞「き」の連体形(体言「命」を受けるため)

  4. 次の語の基本形(辞書形)を答えなさい。「読みたり」
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    動詞「読む」+ 完了の助動詞「たり」(連用形接続)→ 基本形は「読む」

  5. 係り結びの組み合わせとして正しいものはどれ?
    解答を見る

    「ぞ・なむ・や・か → 連体形」「こそ → 已然形」

暗記のコツ・学習計画

  • 読解前に「活用表+接続表」を30秒だけ復唱する(音読で記憶を活性化)
  • 品詞分解は1文単位で練習し、主述を必ず特定する
  • 係り結びはトリガー語(ぞ・なむ・や・か・こそ)を赤でマークする習慣をつける
  • 辞書は「活用 → 基本形推定 → 意味 → 例文」の順で引き、ノートに最小メモを残す
  • 週1回、係り結びの例文だけを10本音読し、結びの形を確認する

よくある質問(FAQ)

Q. 品詞分解は毎回必要ですか?
A. はい。最初は時間がかかりますが、主述や活用を正しく把握でき、読解の精度が上がります。
Q. 係り結びは試験でどの程度出ますか?
A. 定番の文法事項で頻出です。特に「こそ—已然形」「ぞ・なむ・や・か—連体形」は基本事項として問われます。
Q. 辞書の引き方がうまくいきません。
A. 品詞分解で活用形を見抜き、基本形を推定してから引くのがコツです。助動詞の接続も必ず確認しましょう。