訓読・書き下し文は必要なし!本当は楽しい漢文の読み方
漢文というのは古代の中国語です。そこには、様々な英知や古人のおもしろい考え方・感性が詰まっています。
しかし、学校では、漢文訓読・書き下し文など細かい知識をたくさん習います。
そこにばかり気をとられると、漢文は難しい。つまらない。苦手だ。というイメージが付いてしまい、そのまま嫌々勉強して受験へという流れになってしまいます。
漢文の楽しさを味わいながら楽しく勉強して受験で高得点を取る。そんな勉強法をご紹介します。
漢文訓読は漢文をつまらなくする!?
現在の日本の漢文教育はまず細かい読み方を覚えさせることから始まります。
いわゆる返り点などを用いる「漢文訓読」という方法です。
しかし、漢文訓読でできあがる文章というのはいかにも堅苦しく、現代日本語ともかけ離れていて理解しづらいです。
漢文を漢文訓読語で読むというのは、中国語という外国語の古文をさらに古い日本語に直し、そこから現代日本語に訳すという非常に煩雑な過程を経なければ理解できないようになっています。
こんなことをしておもしろいはずがありません。
英語のつもりで訳してみよう
そこでまず、英語を日本語に直すのと同じように単語の意味を調べてそこから現代日本語に直接訳してしまうということをします。
例えば、
「孫子曰兵者国之大事 死生之地存亡之道不可不察也」を
「孫子曰く、兵は国の大事。死生の地存亡の道さっせざるべからざるなり」などという読み方をしません。
そもそも「さっせざるべからざるなり」などと言われても何のことやらわかりません。
そうではなく、
「孫子 言った 戦争とは 国の大事 生死をかけた場所 存亡を選ぶ道 いけない 考えない」
とそれぞれの単語の意味を調べ、それを
「孫子は言った。戦争は国の大事なことだから生死をかけた場面や、存亡がかかった選択肢を選ぶときは考えないといけませんと」
と現代日本語にしてしまえば分かりやすいし、逆に現代日本語で文意がとれれば読み下し文を見ても分かりやすくなります。
なによりも、意味が分かり興味が持てるようになることが大切
漢文を読む時に重要なのは読み下しの技法ではなく、そこにある意味を理解することです。
だからまず読み下しの方法を必死に覚えるのではなく、漢文を直接日本語に訳して興味をもつことが大切です。
読み下しの方法などそれから覚えればいいのです。
まずは漢文の意味を理解することを優先に考え、漢文を楽しんでみてください。
『論語』のような堅苦しいものではなく、或いは『老子』のような内容自体が難解なものではなく、孫子や李白の詩など読んでおもしろいものがいいでしょう。
漢文も英語と同じように、読み下しのような手抜きではなくきちんと訳して読むということをしていけば、そのうち原文からも意味をとれるようになっていきます。